【穂積雅子の目】金につながったラスト1.75周、美帆が引っ張った

スポーツ報知
優勝を決めた女子チームパシュート(先頭から)高木美帆、佐藤綾乃、高木菜那(カメラ・酒井 悠一)

◆平昌五輪第13日 ▽スピードスケート女子団体追い抜き決勝(21日、江陵オーバル)

 女子団体追い抜きで日本が金メダルに輝いた。カナダとの準決勝は高木美帆(23)=日体大助手=、高木菜那(25)=日本電産サンキョー=、菊池彩花(30)=富士急=で臨み、決勝は菊池に代えて佐藤綾乃(21)=高崎健康福祉大=を起用。2分53秒89の五輪新記録で前回覇者のオランダを下した。

 日本は本当に素晴らしいレースでした。心からうれしいです。金メダルにつながったのはラスト1・75周。最後に先頭に回ってきた美帆選手に引っ張られ、ラップタイムの落ち幅を少なくとどめたことが金メダルにつながりました。先頭交代もスムーズにできて、タイムロスもほとんどありませんでした。

 私たち(田畑真紀、小平奈緒、穂積)が銀メダルを獲得した10年バンクーバーでは、ここまで重きを置いていなかった種目でした。しかし彼女たちは300日近い合宿で家族よりも長くともに過ごし、深い信頼関係を築きました。レース中でも言いたいことを伝え合い「世界一美しい隊列」を作り上げました。

 バンクーバーの時にチームメートだった美帆選手は本当にいい顔つきになりましたね。悔しい経験もいろいろして、本当の強さをつけました。自分のことのようにうれしいです。

 まだ終わったばかりですが、もう4年後の22年北京に向けて動き出しています。彼女たちの金メダルを見て、自分も滑りたいと思う若い選手もどんどん出てくるでしょう。日本のお家芸になってくれると期待しています。(10年バンクーバー五輪女子団体追い抜き銀メダリスト)

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