岩渕麗楽、16歳大健闘4位も日本女子最年少メダル逃し涙

スポーツ報知

 女子ビッグエア決勝が行われ、予選3位の岩渕麗楽(れいら、16)=キララクエストク=が147・50点で4位に入ったのが日本勢最高だった。予選2位の藤森由香(31)=アルビレックス新潟=は122・75点で7位、同7位の鬼塚雅(19)=星野リゾート=は119・00点で8位となり、日本勢は決勝進出した全選手が入賞した。アンナ・ガサー(オーストリア)が185・00点で優勝した。

 岩渕はメダルをかけた2本に臆することなく大技で挑んだ。1回目は「キャブ900」で79・75点。2、3回目は「バックサイドダブルコーク1080(DC10)」(縦2回転、横3回転)を選んだ。「自信が持てる行為」と左胸をトントンとたたいた。149センチの小さな体が、勢いよく大空を舞う。逆転を狙った高難度の技はともに着地が乱れた。3位と10点差。初出場で大健闘の4位も「あと一歩届かないのが今の実力。悔しい気持ちでいっぱいです」と唇をかんだ。

 厳しい環境は言い訳にしなかった。普段は全日制の岩手・一関学院高に通い、雪上練習は週末のみ。さらに悪天候を避けるため、決勝の日程も1日前倒しされた。2位に入ったXゲームでは決めたDC10の完成度を高める時間が十分ではなかったが「回転数が少し足りなくて、着地に余裕が出なかった。大事なところで決めきれないのも自分の弱いところ」と受け止めた。

 観客席に家族を見つけると駆け寄り、高さ数十センチの雪の塊にぴょんと飛び乗った。「頑張ったね」。母・恵里香さん(45)の言葉に「立てなかった…」と涙がこぼれた。その姿を見た母は「久々に親の前で泣いてる顔を見て、でもちょっと安心しました。きっと、その悔しさを次にぶつけて頑張るんだろうなっていう涙でしたね」と確信した。

 「覚えやすく、世界で通用するように」麗楽(れいら)と名付けられた。冬季の日本女子最年少メダルには届かなかったが、両親の願いをかなえた16歳は「回転数も上げて、もっともっとレベルアップしなきゃいけない」と4年後を見据えた。(林 直史)

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