坂本花織6位「最後は笑顔になれた」

スポーツ報知
フリーの演技を終え、笑顔を見せる坂本花織

 坂本の笑顔が、少しだけ引きつった。後半の3回転ループでミスが出て209・71点。「ノーミスでできなかったことはすごい悔しかったけど、やり切ったという気持ちはあった。笑顔で終わろうと思ったので、最後は笑顔になれた」。初出場で6位に入賞した。

 そうそうたるメンバーがそろった最終組に入った。「緊張がいつもの5倍くらいあった。自分と戦うことだけに集中した」。中野園子コーチからは「戦える相手じゃない。自分なりに滑ればいい」と声をかけられた。冒頭のフリップ―トウループの連続3回転を成功させるなど、坂本らしい躍動感を見せた。

 幼稚園の時はダンスを習っていたが、やめた。父に「なんで?」と聞かれ「だって、いろんな人に見られるのがいやだもん」。視線を集めることが苦手だったが、4歳で始めたスケートは違った。初めて試合に出た時、不思議と恥ずかしさはなかった。「360度人がいるのは気にならなかった。広いし」。アイスリンクが性に合っていた。

 夢に「五輪でのメダル」を掲げてきた。21歳で迎える北京五輪が勝負の時。「連続で出られるように4年間やりこんで、次はパーフェクトで自己ベストを更新できるようにしたい」。伸びしろだらけの17歳は、強みを増して帰ってくる。(高木 恵)

 ◆坂本 花織(さかもと・かおり)2000年4月9日、兵庫県生まれ。17歳。神戸野田高2年。3歳でNHK連続テレビ小説「てるてる家族」を見てフィギュアスケートに憧れ、4歳で始めた。昨季ジュニアGPシリーズ日本大会で優勝し、ファイナルと世界ジュニアで3位。全日本ジュニア優勝。シニアに転向した今季はスケートアメリカ2位、全日本選手権2位、四大陸選手権優勝。特技は水泳、折り紙。158センチ。

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