宮原知子の出水トレーナーが語る素顔…いろんな「楽しむ」支えに

スポーツ報知
今季の目標が書かれた宮原の練習日誌の表紙

 宮原知子を2015年から担当する出水慎一トレーナー(38)が、スポーツ報知に宮原の素顔を語った。「楽しむ」ことが今季のテーマだった。(取材・構成 高木恵)

 宮原選手はシーズンごとに、僕のノートの表紙に目標を書き込むんです。「2017―2018Season 楽しむ Have fun Enjoy skating」。これが彼女の今シーズンの目標。ただ「楽しい」じゃなくて、試合に勝って楽しむ、スケートをできることを楽しむ。いろんな「楽しむ」が込められています。

 とにかく練習量が多い。多い時は5時間、平均すると4時間くらい氷に乗っています。そして内容がすごく濃い。他の選手がジャンプを15本跳んでいる間に25本近く跳んでいます。練習が終わった後も、ステップ、スピンを1時間また練習するんですから。

 優れているのは体力。JISSで調べたところ、筋持久力の数値がマラソン選手並みだったそうです。継続できる力もすごい。妥協をしません。リハビリ中も決められたメニューは絶対こなしました。いろんな種類を組み合わせた腹筋を1日1000回。JISSではサッカーやスキー選手よりも腹筋運動ができました。

 左股関節の疲労骨折が良くなり練習を再開した昨年7月に左足を捻挫し、右股関節の骨挫傷に。あの時が一番つらかったと思います。自暴自棄になることはなかったですが「なんでだろう…」とは思っていたみたいです。骨代謝という数値が低いから、骨の再生が遅い。筋肉もつきやすいタイプではない。努力して継続してここまで来た。だからこそ、いろんな人に夢を与えていると思います。

 何のためにスケートをしているのかという話を最近したことがあります。「みんなに感情とか感動を伝えたいからフィギュアスケートをしている。自分の演技で伝えたいし、元気になってもらいたい」と話していました。本当にスケートが好きなんだと思います。(談)

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