茂野美咲、初Vでうれしさあまって結婚報告「実は先月…」優勝会見が結婚会見に

スポーツ報知
女子で優勝した茂野美咲の飛躍

◆宮様国際スキー大会最終日(11日、札幌大倉山ジャンプ競技場=HS137メートル、K点123メートル=ほか)

 新婚Vだ! ジャンプ女子は茂野美咲(31)=CHINTAI=が今季初優勝。うれしさのあまり、試合後には先月11日に会社員の杉浦幹太さん(24)と結婚していたことを“カミングアウト”した。平昌五輪を現地観戦したベテランは、夫の支えも力に2022年北京五輪出場への意欲を示した。同男子成年は平昌五輪男子ノーマルヒルで20位だった伊東大貴(32)=雪印メグミルク=が逆転優勝。同少年の部は岩佐勇研(18)=札幌日大=が制した。

 幸せオーラに包まれ、札幌の空を舞った。茂野は首位で迎えた2回目に、女子では唯一K点を越える125・5メートルの好飛躍。2位に50点以上の大差をつけ優勝を決めた。

 「うれしい。2本そろえるのが課題だったが、今日は平常心で飛ぶことができた」と頬を緩めた茂野。すると直後に「自分から言いますが…」と切り出し、「実は先月、結婚しました!」と笑顔で報告だ。昨年2月のUHB杯以来、1年ぶりの優勝に、ジャンプ場での優勝会見が図らずも“即席結婚会見”となった。

 ちょうど1か月前。茂野の中で、思い描く競技人生に変化が生まれた。交際2年目となる2月11日、年下の幹太さんから「一生、幸せにしていくから」とプロポーズを受け入籍した。7歳下ながら、日頃から相談に乗ってくれる心強い存在と人生を共に歩み始めた。

 平昌五輪で代表漏れした茂野は、現地で応援した。ジャンプ女子の高梨沙羅(21)が銅メダルを獲得し、周りが感激の涙を流す中、茂野だけは悔し涙だった。「実際に目で見て、悔しさしかなかった。なんで自分は観客席側にいるんだろう、と」。今季は、今大会まで未勝利。年齢的な問題も頭をよぎり、引退も考えたシーズンだったが、帰国後に幹太さんから「自分も悔しかった」と声を掛けられ、再び戦うハートに火が付いた。この日、幹太さんは来られなかったが、しっかりと結果は出した。

 31歳と、ジャンプ選手としては決して若くはない。それでも「ストイックに五輪を目指している。一年、一年をマックスで。あそこ(五輪)に立たないと、引退できない」と茂野。その瞳は、35歳で迎える22年北京を真剣に見据えている。(宮崎 亮太)

 ◆茂野 美咲(しげの・みさき)1986年11月5日、新潟県生まれ。31歳。小学3年でジャンプを始める。2013年8月にCHINTAI入社。同年のW杯個人総合で29位に入った。現在は北海道支社で勤務しながら、札幌を拠点にトレーニングを積んでいる。155センチ、51キロ。家族は夫。

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