村岡桃佳、平昌パラ3つ目のメダル獲得 スーパー複合で銅

スポーツ報知

◆平昌パラリンピック第5日 ▽アルペンスキー 女子スーパー複合座位(13日・旌善アルペンセンター)

 異なる2種目の合計タイムで競うスーパー複合が行われ、女子座位の村岡桃佳(21)=早大=が銅メダルを獲得した。今大会の自身3個目で06年トリノ大会の大日方邦子と並ぶ日本アルペン勢の1大会最多メダルとなった。男子座位では鈴木猛史(29)=KYB=の4位が最高だった。パラアイスホッケーで、日本は1次リーグB組最終戦でチェコに0―3で敗れ、3連敗で同組最下位となった。

 9日の開会式で日本選手団旗手を務めた村岡の勢いが止まらない。滑降で銀、スーパー大回転の銅に続き、3度目の表彰台となった。「自分でも正直びっくりしている。いろんな種目で総合的に技術力が上がっている」と笑顔が光った。

 前半種目のスーパー大回転は0秒32差の2位だった。逆転可能な僅差で臨んだ後半の回転は苦手種目だが、「フルアタック。自分なりにいい滑り」と全力で攻めて59秒36と2位のタイムをたたき出した。とはいえトップのフォルスターには4秒以上遅れ、合計タイムでも金には2秒66届かず。「悔しい」という思いも、2度言葉にして繰り返した。

 高校2年で初出場した14年ソチ大会後、父秀樹さん(48)を通じて早大スキー部に入部意欲を伝えた。当時監督だった倉田秀道さん(56)は受け入れ態勢の不備を理由にいったんは断った。2か月後に今度は村岡自身が熱意を伝えた。懸命な練習ぶりを知る部内にも異論はなく、パラ選手で初めて、実績のある選手だけが受験できるトップアスリート入試で合格した。

熱意で早大へ 倉田さんは「健常者も障害者もスキーが好きな気持ちは一緒」と受け入れに奔走。大学との折衝などで約600万円で寮にスロープをつけた。斜めにまひが残る村岡の体幹を支える筋肉がどこか、解剖学の先生らにも助言を求めた。筋力強化で滑りが安定し、村岡はW杯表彰台の常連に成長した。

 昨年、監督を退いた恩師の支えもあり、平昌で銀1つ、銅2つのメダルを手にした。残るエントリーは14日の大回転など2種目。「まだ持っていない色のメダルを目指して頑張る」。自称「万年3位」を脱却して頂点だけを狙う。

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