村岡桃佳、日本勢最多のメダル5個目を獲得!閉会式で旗手「私に始まり私に終わる大会」

スポーツ報知

◆平昌パラリンピック最終日 ▽アルペン 女子回転座位(18日・旌善アルペンセンター)

 回転の女子座位で村岡桃佳(21)=早大=が銀メダルを獲得した。「金」の大回転など全5種目で表彰台に立った。冬季の日本選手で最多となる1大会5個のメダルを手にした村岡は、閉会式でも旗手を務めて、躍進の大会を締めくくった。日本勢はメダル総数10個で全競技を終了し、海外大会最多の11個を記録した10年バンクーバー大会以来の2ケタに乗せた。選手団は19日に帰国する。

 メダリストのプライドが、村岡を支えた。1回目で2位につけて迎えた2回目の滑走。中盤でスキーを横に滑らせ、転倒した。それでも諦めなかった。「転んだままでは終われない」。すぐさま再スタートして滑り切った先に、銀メダルがあった。全5種目で表彰台。「正直に言うと、きょうの朝まで取れるとは思っていなかった」と、本音を漏らした。

 滑降で銀メダルを獲得した競技初日、力を込めて予告した。「私に始まり、私に終わる大会」。転んだ時に、自分の言葉が頭に浮かんだ。得意ではない最終日の回転でもきっちり責任を果たした。

 今大会のアルペン女子座位の5種目で表彰台に上がったのは7人。このうち全種目でメダルを獲得できたのは村岡ただ一人。安定感が際立った。前回ソチ大会では最高成績が5位。ソチ5冠で「女王様」と目標にしてきたアナ・シャフェルフーバー(ドイツ)とも互角に渡り合った。世界の強豪の仲間入りを果たし「成長を見せられた大会」と、充実感に浸った。

 平昌で日本勢は金3、銀4、銅3の計10個のメダルを獲得し、14年ソチ大会の6個を上回るという目標をクリアした。村岡の5個のメダルは、冬季の1大会日本選手最多だった。開会式に続き、閉会式でも旗手を務めた21歳は「金メダルはゴールに近いものだと思っていたが、今は通過点と思っている」。4年後は北京大会。「女王」と呼ばれる日も遠くない。

 ◆記録メモ

 ▽1大会でメダル5個 個人の冬季では過去最多で、98年長野で武田豊、土田和歌子、松江美季、奥山京子、金井良枝(いずれもアイススレッジスピードレース)の4個を超えた。夏季は04年アテネで競泳の成田真由美の金7つ、銅1つの計8個が夏冬通じ最多。

 ▽1大会で金銀銅 98年長野でアルペンスキー女子座位の大日方邦子が滑降で金、スーパー大回転で銀、大回転で銅を獲得。平昌五輪では高木美帆(日体大助手)が冬季&女子で初めて達成。夏季では競泳の河合純一が96年アトランタ、04年アテネの2回で獲得するなど7人が達成。

 ▽日本勢のメダル10個目 海外大会では10年バンクーバーの最多11に次ぐ獲得数で前回ソチの6を超えた。過去最多は98年長野の41(金12、銀16、銅13)。

 ◆村岡 桃佳(むらおか・ももか)1997年3月3日、埼玉・深谷市生まれ。21歳。中3から本格的に競技を始め、埼玉・正智深谷高から2015年に早大へ入学。14年ソチ大会は大回転で5位入賞。世界選手権では15年大会が滑降2位、大回転3位。17年は滑降、大回転ともに3位。150センチ、37キロ。

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