宇野昌磨SP5位、痛み止め飲み右足負傷耐えた…「3枠」ピンチをフリーで救う

スポーツ報知
宇野の平昌五輪と世界選手権でのSP得点内訳

◆フィギュアスケート世界選手権 第2日(22日・ミラノ)

 【ミラノ(イタリア)22日=高木恵】男子ショートプログラム(SP)で平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=は、右足甲の負傷の影響で94・26点の5位と出遅れた。友野一希(19)=同大=は82・61点で11位。日本勢上位2人の合計順位は「16」で、来年大会(埼玉)で最多3枠獲得条件の「13」を下回った。ネーサン・チェン(18)=米国=が101・94点で首位

 宇野の表情に安堵(あんど)の色が浮かんだ。右足甲に激しい痛みを感じたのは20日。この日の朝の公式練習では、まだ痛みがあった。「試合では気持ちが高まったのか、会場に入ってから普通に歩けたし、不思議と痛みもなかった。この体でできたなら、もっと難しい構成でも良かったのかな」と笑顔も見られた。自己ベストの104・87点を大幅に下回る94・26点の5位発進も、体調を考えれば上々といえるものだった。

 痛み止めを服用しながらの強行出場を決めた。4回転はトウループ1本で挑んだ。ジャンプの基礎点は8・49点も低くなるが、やむを得ない決断だった。冒頭の4回転トウループで加点2・29点を引き出した。後半のサルコー―トウループの連続3回転は「体が動いて力があり余ってしまった」ため後半が2回転になったが、芸術面を評価する演技構成点は46・36点で全選手中の最高だった。

 平昌五輪後に替えた靴が、なかなかなじまなかった。公式練習では右足甲に激痛が走った。歩くことさえできず、関係者に背負われ会場を後にした。そのまま病院へ向かい、骨に異常はないとの診断を受けた。「出ることで、いろんな人に恥ずかしい思いをさせてしまうかも」という思いもよぎったが、全力で出場への道を探った。

 来年の世界選手権の枠取りがかかる一戦。上位2人の順位が「13」以内なら3枠を確保できるが、SPを終えて「16」。「3枠を考えると足を引っ張っている」と口にした。中1日ある24日のフリーでは右足に負担がかかるフリップを含む、3種類4本の4回転の構成の可能性を探っていく。「僕は最後まで元の構成を諦めない。もしかすると明日、あさって良くなるかもしれない。諦めないでやりたい」。首位のチェンとの差は7・68点。逆転優勝もまた、諦めるつもりはない。

 ◆フィギュアスケート世界選手権出場枠 来年の出場枠は今大会の順位点によって決定。1位~15位までは順位がそのまま得点になり、16~24位は16点、25位以下は18点。日本が最大の3枠を得るには、3人のうち上位2人の合計が13点以内が条件。14~28点なら2枠、29点以上だと1枠となる。

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