宮原知子SP3位…来年日本開催の女子「3枠」見えた

スポーツ報知

◆フィギュアスケート世界選手権 第1日(21日・ミラノ)

 【ミラノ(イタリア)21日=高木恵】女子ショートプログラム(SP)は3大会ぶりの表彰台を狙う平昌五輪4位の宮原知子(19)=関大=が74・36点で3位につけた。樋口新葉(わかば、17)=東京・日本橋女学館高=は65・89点で8位。日本は2人の合計順位が「11」で、来年大会(埼玉)で最多3枠獲得条件の「13」以内につけた。カロリナ・コストナー(31)=イタリア=が世界歴代3位の80・27点で首位。女子フリーは23日に行われる。

 大歓声に、笑顔で両手を振った。宮原がミラノのリンクを和に染めた。「想像以上の点数。まだまだ70点後半を目指せるな、と自信になった」。冒頭の連続3回転ジャンプは最初のルッツの着氷が流れず「無理やり力で引き上げた」ため、トウループが回転不足に。それでも自己ベストに1・58点差に迫る74・36点で3位発進を決めた。

 昨年大会は左股関節の疲労骨折の影響で欠場した。代役の本郷理華が16位に終わった影響もあり、平昌五輪の日本の出場枠は最大の「3」から「2」に減った。日本のエースとして、心に期すものがあった。自ら施したアイシャドーのピンクは普段より心なしか濃いめ。「気合が入っちゃったのかもしれません」。映画「SAYURI」は芸者の成長を描いた物語。原書を読み込み、世界観を体に染みこませてきた。

 151センチの小さな体を大きく動かしながら、いつも「伝わってー!」と心で叫んでいる。思うような練習ができなかったシーズン当初と比べ、滑り込みの量は増え「細かい音も聴き分けられるようになってきた」。和太鼓や笛の音色と調和し、芸術面を示す演技点5項目は全て9点台に乗せた。

 昨春のリハビリ時に知り合った平昌五輪スピードスケート女子団体追い抜き&女子マススタート金メダルの高木菜那(25)=日本電産サンキョー=と励まし合う関係は、五輪後も続いている。平昌で一緒に撮った写真をメールで送り合った。再び膝のリハビリ加療に入る友人に伝えた。「リハビリ頑張ってください。自分は世界選手権で頑張ってきます」と強く誓った。

 23日のフリーは、故障を乗り越え五輪舞台にたどり着いた今季のラストダンス。「最後の『蝶々夫人』なので思う存分楽しんで、自分の一番いい演技をしっかりやりたい」。銀メダルだった15年大会以来3年ぶり表彰台で、きっちり締めくくる。

 ◆フィギュアスケート世界選手権出場枠 来年の出場枠は今大会の順位点によって決定。1位~15位までは順位がそのまま得点になり、16~24位は16点、25位以下は18点。日本が最大の3枠を得るには、3人のうち上位2人の合計が13点以内が条件。14~28点なら2枠、29点以上だと1枠となる。

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