樋口新葉、銀メダルを獲得 宮原知子と11年ぶりダブル表彰台

スポーツ報知

◆フィギュアスケート世界選手権 第3日(23日、イタリア・ミラノ)

 【ミラノ(イタリア)23日=高木恵】女子フリーが行われ、平昌五輪出場を逃したショートプログラム(SP)8位の樋口新葉(17)=東京・日本橋女学館高=が145・01点の合計210・90点で銀メダルを獲得した。五輪4位の宮原知子(19)=関大=は210・08点で銅メダルだった。日本女子のダブル表彰台は07年大会以来11年ぶり。24日の男子フリーでは五輪2位の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が273・77点で、銀メダルを獲得。初出場の友野一希(19)=同大=が自己ベストで5位に入り、男女ともに、さいたま市で開催する19年大会の出場枠3を確保した。

 両手を突き上げ、天を仰いだ樋口は「やったー!」と叫んだ。目からは、みるみる涙があふれた。「今季一番よかった。やり切ることができた」。氷上で流した初めてのうれし涙。自己ベストに迫る145・01点の得点が表示されるとまた、泣きじゃくった。SP8位からの大逆襲銀メダル。平昌五輪代表を逃した17歳の、倍返しの始まりだった。

 前半と後半の2度のルッツ―トウループの連続3回転など、全てのジャンプを成功させた。終盤のステップに入る前に樋口は絶叫した。「ウワー!」。ゾーンに入っていた。「その辺から記憶がない」。映画「007 スカイフォール」の曲に乗ったスピードあふれるダイナミックな滑り。ワカバボンドが、ミラノの観客のハートを射抜いた。

 昨年12月の全日本選手権4位で五輪代表を逃した。年が開けて2週間は全く滑らなかった。全日本選手権中に痛めた右足首の回復を待っただけでなく、つぶれかけた心がなかなか奮い立たなかった。「自宅でダラダラ」することが増えた。「気持ちの切り替えが大変だったけど、今思うとそれがあったから今日やり切れたと思う」。この日が61歳の誕生日だった岡島功治コーチは「(これまでで)一番いいプレゼント。夢にも思わなかった」と目を細めた。

 全日本選手権直後に「倍返しの始まりだ」とツイッターでつぶやいた。立ち上がり、たどり着いた銀メダル。「まだここで終わりじゃない。あと4年ある。4年でどこまで『倍』を伸ばせるか。まだ伸びしろがあると思う」。来季は3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)をプログラムに入れる予定。取り戻した自信を、北京五輪へつなげていく。

 ◆樋口 新葉(ひぐち・わかば)2001年1月2日、東京都生まれ。17歳。3歳でスケートを始める。15、16年の世界ジュニア選手権で3位。昨季は世界選手権で11位。今季はグランプリ・ファイナルで6位。全日本選手権は13歳だった14年に3位、15、16年は2位、17年は4位。名前は2001年1月2日という新世紀の始まりに生まれたことに由来。競泳の池江璃花子と仲良し。身長153センチ。

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