渡部暁斗、日本人単独最多の7勝目「きょうは胸を張っていい」

スポーツ報知
渡部暁斗

◆W杯スキー個人第21戦(24日・ショーナッハ)

 ノルディック複合はドイツのショーナッハで個人第21戦が行われ、平昌五輪個人ノーマルヒル銀メダルで既に総合優勝を決めている渡部暁斗(29)=北野建設=が逆転勝ちし、今季7勝目、通算16勝目を挙げた。シーズン7勝は、6勝で並んでいた荻原健司を上回る日本勢最多。前半飛躍(HS106メートル)で11位と出遅れたが、後半距離(10キロ)で飛躍トップのヤールマグヌス・リーベル(ノルウェー)との1分4秒差をひっくり返した。

 個人総合覇者にふさわしいレースだった。後半距離を首位と1分4秒差の11位でスタートした渡部暁は、序盤から飛ばし、出遅れを挽回して大逆転。日本選手で単独最多のシーズン7勝目に「きょうは胸を張っていい」と珍しく自賛した。

 気温が上がり、軟らかい雪質になった後半距離。「技術で走っている僕の方が有利」とみて、積極的に攻めた。6キロ付近で先頭の2人を捉えると、終盤のスパートで突き放した。

 前半飛躍は条件にも恵まれずK点(95メートル)の2・5メートル手前に落ち「全然優勝は頭になかった」と言う。だが、距離で底力を見せた。銀メダルを手にした平昌五輪以降も、高い集中力を維持してつかんだ勝利。個人総合首位を示す黄色いゼッケンをつけて「(これに)ふさわしいレースをしなければいけない」と繰り返してきた通りの走りだった。

 ▽複合個人第21戦〈1〉渡部暁斗(北野建設)(飛躍〈11〉104・6点、距離〈3〉25分3秒2)〈2〉リーベル(ノルウェー)タイム差6秒3〈3〉グルーバー(オーストリア)〈11〉渡部善斗(北野建設)〈13〉山元豪(ダイチ)〈27〉永井秀昭(岐阜日野自動車)〈32〉加藤大平(サッポロノルディックク)〈37〉渡部剛弘(ガリウム)

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