沙羅“原田ロード”で北京金だ

スポーツ報知

 18年平昌五輪スキージャンプ女子銅メダルの高梨沙羅(21)=クラレ=が7日、地元・上川町のかみんぐホールで報告会に出席。92年の原田雅彦氏(49)=現雪印メグミルク監督=以来、2人目となる町民栄誉賞を受賞した。原田氏は受賞後の98年長野五輪団体で金メダルを獲得。地元の栄誉賞を力に変えた同郷の“先輩”のように、22年北京五輪で悲願の金を目指す。同17位だった勢藤優花(21)=北海道ハイテクAC=には特別賞が贈られた。

 生まれ故郷の声援が身にしみた。史上2人目の町民栄誉賞を受賞した高梨は、祖母や地元のジャンプ少年団から特大の花束を受け取り、頬を緩ませた。輝く銅メダルを手に「質量的な重さと皆さんの気持ちがこもったメダル。北京では金メダルをここに持って帰ってきたい」とあいさつすると、会場は町民300人の温かい拍手に包み込まれた。

 “原田ロード”を突き進む。26年ぶりの町民栄誉賞。初の受賞者は92年アルベールビル五輪個人LHと団体で4位入賞を果たした原田氏だった。同氏はその後、上川町の後押しを受けるように94年リレハンメル五輪団体で銀、98年長野五輪団体では金メダルを獲得した。

 平昌で初めてメダルを手にした高梨だが「ほっとした気持ちと悔しさが半分半分。銅には満足していない」と、さらなる高みを見据える。つかの間の帰省では、常連の店でみそラーメンとチャーシューおにぎりを堪能。この日も報告会を終えると中1日で“おかわり”し、地元パワーを注入した。

 練習は継続し、5月上旬には飛躍練習を再開する。「名誉ある賞をいただけて光栄。練習の励みになる。北京に向けて新しいスタートを切りたい」。古里の期待と声援を力に、4年後はさらに輝く勲章を持ち帰る。(宮崎 亮太)

 ◆勢藤は特別賞 来季W表彰台だ

 特別賞を受賞した勢藤は「W杯と、五輪の17位は悔しさがすごく違った。特別な場所。(調整法で)後悔もあるので、この経験を4年後に生かしたい」と決意を口にした。

 先月25日のW杯最終戦(ドイツ)では、自己最高の4位に食い込んだが「目標にしていた表彰台に立つことができなかった」と手応えを感じつつ、悔しさも残った。幼なじみの高梨と人口4000人弱の上川町を飛び出し、世界を転戦してきた勢藤。“上川町コンビ”のダブル表彰台へ「来季こそ、表彰台を目指して頑張りたい」と力を込めた。

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