パチンコ「等価交換」消える 店と客“共に笑える”関係に

2015年11月1日6時0分  スポーツ報知

 11月2日に、パチンコ・ファンにとって大きな変化が訪れる。東京都の業界団体「東京都遊技業協同組合」(都遊協)は、同日までにパチンコ店で出玉と交換する「金地金賞品」の価格を値上げすることを決定した。これによって、都内ではいわゆる「等価交換」が消滅する。都遊協は「お客様、パチンコ店双方の将来を考えた末の方策」としており、首都の決定に他県の組合も注目している。(高柳 哲人)

 パチンコの業界団体、都遊協は9月29日の定例理事会において、「適切な賞品提供の徹底」の議案を全会一致で可決。これにより、これまで等価交換では250発で交換していた金地金賞品の0・1グラム賞品を、11月2日までに280発を下限として提供価格とすることを決めた。0・3グラム、1グラムの賞品も、同じ割合で必要な玉数が増える。

 パチンコ店で一般的に客は1玉4円、1000円で250発を借りてプレーする。出玉があった時には、これを金地金賞品に交換。その後、客は賞品を店の近くで売って現金を得る。買い取り価格は変更されないことから、賞品の価値が約1割、落ちることになり、勝った時のうまみもこれまでよりはなくなってしまう。

 今回の決定について、都遊協は理由を「パチンコ業界を正常な状態に戻すため」と説明した。現在、パチンコ業界の市場規模は縮小している。全国の店舗数は、20年前と比べて4割近く減少した。「最近はパチンコが『遊技』ではなく『ギャンブル』になっている。ギャンブル志向の高いお客様を相手に商売していましたが、それでファンがどんどん離れた。どこかで線引きをしないといけなくなったんです」と都遊協。行政からは「射幸性の抑制」を度々指導されるパチンコ業界だが、今回は自主規制だという。

 もちろん、簡単にいく改革でないことは承知している。「離れたファンがすぐに戻るとは思っていません。(店側は)相当な血を流さないといけないと思う」と、一時的な売り上げ低下は覚悟の上だ。「それでも、やらないといけないところまで現在は来ているんです」と悲壮な決意を示した。

 ファンの側が損をするだけではないとも強調する。「店は交換ギャップで利益を得ることができるから、今まで以上に出玉で還元ができるようになる。これまでよりも『遊べる』お客様が増えると思います」。その影響で客が増えれば店側も売り上げが確保しやすくなり、“共に笑える”関係になれるとみている。

 同様の取り組みは、すでに2011年10月には大阪府下などを中心に20か所ほどで実施されているが、関東地区はまだのところが多い。今回の東京都の試みに、周辺の県も興味津々だ。

 埼玉県遊技業協同組合では「今のところすぐに追随するということはありません。まずは状況を見守っていきたいと思います」。神奈川県遊技場協同組合でも「参考にしたいと思いますし、ファンが減少している中で、どうやったらお客様に来てもらえるのか研究もしています」とした。かつては「不況知らず」といわれたパチンコ業界だが、この11月がかつてない転換点となる可能性がある。

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