心を痛める日本のイスラム教徒

2015年11月17日11時30分  スポーツ報知

 パリの同時多発テロで、オランド大統領は過激派組織「イスラム国」の犯行であることを宣言し、程なくして「イスラム国」側も犯行声明を出した。

 本紙を含め、各メディアで今も続報が伝えられているが、その中で「イスラム」という言葉が出る度に心を痛めているであろう人たちがいる。日本に住むイスラム教徒たちだ。東京・渋谷区にある都内最大規模のモスク(イスラム教の礼拝堂)「東京ジャーミイ」を訪れる敬虔(けいけん)なイスラム教徒たちも、無念さを隠さなかった。

 日本に来て7か月になるという23歳の青年は「事件のニュースを見て、すごく悲しかった」と、つたない日本語を絞り出した。実はクルド系で、オランダから来日したという彼だが、「仲良くなるまで、自分が『オランダ人』としか言わない。日本の人たちはイスラム教のことをよく知らないので、悪いイメージを与える可能性があるからね」という。

 今回の事件については「彼らは『イスラム』を名乗っているけど、イスラム教徒じゃない」と強い言葉で言い切る。「イスラム教では『人間1人を殺すのは、地球上全員を殺すのと同じ』という教えがあります。それを知っていれば、テロなんてやる訳がない。(組織の)偉い人が都合のいい教えだけを伝えているから、あんな犯人が生まれてしまう」と話した。

 同所でボランティアとして来場者の対応をしているトルコ人の男性(28)も「テロリズムに宗教は関係ない。どの宗教を信仰していても悪い人は悪いことをする。でも、『イスラム国』の人がテロを起こしていると報じられるから、イスラム教徒は怖いと思われてしまう」と肩を落とす。10月下旬に同じ渋谷区のトルコ大使館前で暴動が起こったことも「あれは政治上の対立で宗教は関係ない」としながらも、日本人のイスラム教に対するイメージを悪くしていると考えている。

 2人とも口にしたのは「日本人はイスラム教のことをよく知らない。だから、ちゃんと説明をしたいけど、なかなかチャンスがないし、日本語が上手じゃないので、うまく伝わるか分からない」という言葉だった。

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