大阪名物靴店、ホンマに閉店しよった 店主体調崩し「あきまへんな」

2016年2月21日6時0分  スポーツ報知

 「もうあかん やめます!」と記した垂れ幕を約20年も掲げてきた大阪・西天満の名物靴店「靴のオットー」が20日、本当に閉店し、39年間の営業を終えた。常連客や報道陣が集まった午後3時の閉店時間には、「ほんとうにもうあかん。閉店しました」と最後の垂れ幕を掲出。客からは「また明日もやるで」と閉店を疑問視する声も上がったが、店主の竹部浅夫さん(74)は「もうホンマにあきまへんな」と正真正銘の店じまいを宣言した。

 「横綱も、この店も、土俵際。」「倒産セール! もうすぐ父の日だけにね!」などシャレの利いたコピーで大阪人の心をくすぐった名物靴店が、1977年から続いた営業に終止符を打った。代理で店に立った支援者から花束を贈られると竹部さんは「僕みたいな男が…。おおきに、おおきに」と感極まって涙を流した。

 22歳から靴のチェーン店に勤務した竹部さんは、35歳で同店を開業。バブル崩壊で経営が苦しくなった90年代に「もうあかん」の垂れ幕を掲げると大ウケ。「格差社会を是正せよ。身長の格差は当店で」という、中敷きで身長を高く見せるシークレットシューズの広告コピーも評判となった。

 「やめます」の掲示は誇大広告として詐欺まがいと指摘されかねない商法だったが、大半の関西人は「閉店セールなんてどこでもやってる」と好意的。竹部さんは「意外と愛されてたんやなと思いました」と感慨深げに振り返った。

 閉店を決意したのは昨年11月。体調を崩したことと、05年ごろから続く赤字に近い経営状態などから、入居ビルとの賃貸契約を今月いっぱいで終えることを決めた。以前は1か月に200足しか売れなかったが、閉店が報じられた1月中旬からの1か月で一気に約1500足を売り上げた。遠くは東京や山梨、北海道などからも来店。最終日のこの日は1人で数足も購入する客が続出した。竹部さんは「靴を売ることより、お客さんとの会話が楽しくて、長いこと続けることができた」と感謝した。

 東京から訪れた30歳代の男性客は「絶対閉まらないと思っていた。今も半信半疑です」。姫路市の男性は「またやるで。それが大阪の商売人やから」と冗談半分に再開を期待するが、竹部さんは「こんなことまでしてもらってウソついたら、えんま様に舌を抜かれますわ」。最後は充実の表情だった。

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