「措置入院」もわずか12日で退院、大麻の陽性反応も…知的障害者19人殺害

2016年7月27日6時0分  スポーツ報知

 周囲のSOSを生かし、事件を未然に防ぐことは今回もできなかった。

 今年2月、植松聖容疑者(26)は県警津久井署の事情聴取で「重度障害者の大量殺人は、日本国の指示があればいつでも実行する」と述べた。連絡を受けた相模原市は、精神保健福祉法に基づき、他人に危害を加える可能性がある者を強制的に入院させる「措置入院」の対応を行った。

 市精神衛生保健課などによると、容疑者は2月19日に県内の精神科病院で「躁(そう)病」と診断され、入院。本来、医師2人の診断が必要だが、医師1人のみで診断する「緊急措置入院」が適用された。翌20日、尿検査で大麻の陽性反応が出たため、再検査に。「大麻精神病」など複数の精神疾患があると診断された。

 ところが、わずか12日後の3月2日、市は病院から「他害要件が消失した」などと記載された「症状消退届」の提出を受けたため、容疑者を退院させた。届には「退院後は家族と同居する」とも記されていたが、実際には一人暮らしだった。

 「措置入院」は入院期間の基準を定めておらず、自治体は医療機関からの「症状消退届」を受けて退院を判断するしかない。今回の退院について、市の担当者は「必要のない措置入院を続けると人権問題になる」と話す。

 衆院議長への手紙の報告を受けた麹町署は都内で暮らす容疑者の父親に「気を付けた方がいい」と電話。警察や行政は「できる限りの対応はした」と説明するが、惨劇は防げず、経緯の徹底的な検証が求められそうだ。

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