パックンが分析!小池都知事の「カタカナ語」は記憶に残り大成功→頻発すれば都民離れも

2016年12月28日10時0分  スポーツ報知
  • まだ会ったことがないという小池都知事の写真と見つめ合うパックン

 東京都知事選、東京五輪・パラリンピック競技会場見直し、築地市場移転延期などで今年下半期の主役となった小池百合子都知事(64)。その“小池劇場”で飛び交ったのが独特のカタカナ語だ。政治に詳しく、著書に「大統領の演説」があるお笑いコンビ「パックンマックン」の「パックン」ことパトリック・ハーラン(46)が、“百合子語録”を独自の視点で分析。「人々の記憶に残したのはすごい」と評価する一方、多用しすぎると「有権者から遠い存在になる」と警告した。(構成・江畑 康二郎)

 都知事選で小池さんが291万票を獲得し圧勝したのは、政界でトップクラスの演説力にあると言ってもいい。日頃からコミュニケーションをとったり、海外メディアを通じて猛勉強して面白く伝えようとする努力がうかがえます。

 そこで気になるのが、知事のカタカナ語。最近は「あら、また使っちゃった」なんてネタにしてますが、自身の主張を強調したい時に戦略的に使っている感もある。まず「ブラックボックス」と訴え“都連のドン”を世に知らしめた。流行語大賞候補になった「都民ファースト」は、人々の記憶に残っただけで大成功。都知事選候補だった鳥越さんや増田さんの言葉で何か残っているものはありますか?

 3つの単語セットも巧みだ。目指す首都像を示した「セーフシティ(安全な都市)」「ダイバーシティ(多様性)」「スマートシティ(環境・金融先進都市)」の「3つのシティ」や、リオ五輪視察後に使い出した「リデュース(Reduce=削減)」「リユース(Reuse=再利用)」「リサイクル(Recycle=再生利用)」の「3R」。「早い、安い、うまい」みたいに企業も使う手法で3つにまとめると覚えやすい。

 一方、日本人に通じにくい言葉も目立つようになった。豊洲市場の盛り土問題の責任者を追及する際に用いた「ホイッスルブロワー(内部通報者)」、抵抗勢力を示唆した「アンシャンレジーム(旧体制)」、東京五輪バレーボール会場を有明アリーナに決定した際に発した「パラダイムシフト(大胆な方針転換)」。そして、知事が大好きなコスト削減のキーワード「ワイズスペンディング(賢い支出)」ですが、実はアメリカではあまり使わない。

 他にも「サステイナブル(持続可能な)」「アカウンタビリティー(説明責任)」「ディストリビュート(分配する)」「オーソライズ(権限を与える)」「ウィズドロウ(撤退)」「オルタナティブ(二者択一の)」「フィンテック(金融とITを融合した技術革新)」「インベストメント(投資)」「ワーカブル(実行可能な)」などなど。まるで英語のレッスンです。

 こうした難解な言葉を頻発すると、有権者から見て遠い存在になってしまうから、避けた方がいい。だからといって「トゥギャザーしようぜ!」をはじめ、英単語を会話に織り交ぜるルー大柴の域に達してもアウト。安易に横文字を使って、砕けすぎるのも印象が良くない。

 就任から5か月。都議会自民党や大会組織委員会と壮絶なバトルを展開した小池さんには、いずれ国政に戻って、女性初の総理大臣を目指してほしい。が、おそらく来年新党を立ち上げるでしょう。自らの政治塾「希望の塾」にちなんで、その名も「希望の党」…かな。そうなると、自民党を離党しなくてはならないが、すでに実行プランはあるはず。今年は壊す側でしたが、来年からは立て直す側で難しい立場になる。「トゥルーワース(真価)」が問われます。あっ、僕もカタカナ語を使っちゃった。

 ◆パックン 本名パトリック・ハーラン。1970年11月14日、米コロラド州生まれ。46歳。ハーバード大学比較宗教学部卒。93年に来日し、97年、マックンこと吉田真とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」で人気者に。12年から池上彰氏の推薦で東京工業大学のリベラルアーツセンターの非常勤講師。今年11月、ニュース番組でトランプ氏の米大統領選勝利宣言を“同時通訳”した。

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