山手線50年ぶり新駅は和のイメージ…品川―田町間20年暫定開業

2017年2月25日5時0分  スポーツ報知
  • ―壁面は ガラス張り(全てJR東日本提供)

 東京のJR山手線のうち駅間距離が最長(2・2キロ)となっている品川―田町間で、10日に「新駅」(港区)の起工式が行われた。2020年春に暫定開業を予定し、山手線としては1971(昭和46)年開業の西日暮里駅(荒川区)以来、49年ぶり30番目の新駅となる。「和」のイメージが取り入れられた駅舎で、周辺地域発展の期待も込められたシンボルとなりそうだ。

 JR山手線に約50年ぶりに新駅ができるのは、品川駅から約0・9キロ、田町駅から約1・3キロ付近の場所で、2・2キロある駅間のやや品川寄り。山手線に加え、JR京浜東北線が乗り入れる予定だ。JR東日本が品川車両基地跡地を活用する新たなまちづくり「品川開発プロジェクト」の一環として、「周辺地域の方や新しい街を利用する方の利便性を高めることができることから、設置することを決定しました」(同社広報部)。

 新駅の駅舎は「和」のイメージとなる。駅舎デザインを手がけるのは、建築家の隈(くま)研吾氏(62)。

 「国際交流点となる街の中核施設として象徴的なデザインになることを期待し、当社プロジェクト(渋谷駅、宝積寺駅など)における実績を踏まえ、世界で活躍している隈氏を選定しました」(同)。

 デザインは、日本の伝統文化の魅力がふんだんに盛り込まれたものになるという。地上3階地下1階で、大屋根のモチーフは折り紙。日本家屋の障子をイメージして、全体に「木」や「膜」などの素材を生かしている。膜材の活用は、放射熱などにより夏場のコンコース内の体感温度を下げる効果も狙っている。

 さらに、駅舎東西壁面に大きなガラス面を設けるとともに、コンコース階には約1000平方メートルの巨大な吹き抜けを設けることで、駅側、街側の両方から見通すことができる。駅と街を一体的な空間として感じられる「エキマチ一体」を目指した。日本人には懐かしく、外国人からは斬新なものに感じられることを目指しているという。

 隈氏といえば、2020年東京五輪のメインスタジアムで、同パラリンピックでも開閉会式などが行われる新国立競技場の設計でも知られる。新駅はその五輪イヤーの春、7月開幕の大会に先がけて暫定開業することになる。

 新駅の名称は未定。ちまたでは、所在地住所の「港南」のほか「三田」「高輪」「芝浦」「新品川」…など実に多くの名前が取り沙汰されているが、JR東では「今後、決定方法も含めて検討します」としている。運行ダイヤの変更についても、現状では未定だ。

 商業施設やオフィスなどが入るビルも併設を予定される。都市開発と併せて計画は進み、駅は24年に“街開き”となるのに合わせて、本格開業。首都圏・都心部へ連絡の良さに加え、羽田空港からも近い。また27年に品川―名古屋のリニア中央新幹線が開業予定で、アクセスの良さを生かし、周辺は新たな東京の玄関口としても期待されている。

 ◆「田町不動産」社長予想駅名「新品川」 新駅予定地周辺の不動産各店では、既に「新駅至近!」の売り文句が躍る物件紹介掲示が、当たり前のように貼り出されるようになっている。田町駅に近い港区三田で地元密着型の情報を提供している田町不動産の矢野聡社長によると「現時点では、それほど(周辺物件の)価格が高騰したということはありません」という。戸建ては少ないエリアで、新駅関連ニュースがメディアで取り上げられるたびに、「駅のそばのマンションで良い物件はないか」という問い合わせは入る。

 JR東日本などが進める新たな街づくりは、新駅を中心とした約13ヘクタールにオフィスや商業施設が入るビルの建築などを予定する。もともと羽田空港からアクセスが良く、国の指定を受けて外国企業の誘致プロジェクトが進められている「アジアヘッドクォーター特区」でもあるエリア。今後は、さらなる国際化は必至で、外国人のための住居の需要が、さらに増えるとみられる。田町不動産でも「英語とイタリア語ができるスタッフはいますが、中国語が話せる人材も必要です。それぞれの言語を使った社のホームページも作らなければと思っています」と準備に余念がない。

 一方で、決め方も含めて検討中とされる新駅の名称も注目されている。一般的には開業1~2年前に決定するといわれるが、周辺の高輪や芝浦で生活する人々は、それぞれなじみの地名や思い入れのある名前にしたいと、署名活動も始まっている。ちなみに、矢野社長は「既に京浜急行に『北品川』はありますので、横浜に対する新横浜の例のように『新品川』になるのではないかと思ってます。実はもうこの名前で、(ホームページやメールのアドレスなどに使用される)ドメインを取得したんです」と、こちらも抜かりなく進めているようだ。

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