築地立て替えプラン浮上、豊洲移転なら増税も…検証チームが私案提示

2017年3月30日6時0分  スポーツ報知

 東京都の豊洲市場への移転問題を検証するプロジェクトチーム(PT)の会合が29日、都庁で行われ、都顧問の小島敏郎座長が、移転せずに築地市場を改修した場合、工期6年で500~800億円と試算する私案を提示した。築地改修についての年数と金額が公の場で提示されたのは初めて。小島氏は東京都の小池百合子知事(64)の信頼が厚く、市場移転を巡る小池氏の決断に大きな影響を与えそうだ。

 豊洲へ移転するのか、築地に残るのか。迷走する市場移転問題で、新たな方向性が示された。小島氏は会合で、「現時点では案の一つ」と前置きしながら、築地について「改修のみなら500億円、工事に合わせて衛生管理などのグレードアップをするなら800億円」とし、従来に想定されていたものより安い改修案を示した。設計には1年、工期は6年を見込んでいるという。

 築地の再整備は90年代に都の試算で約3400億円、20年かかると試算され、事実上頓挫していた。今回示された私案は、当時のような大規模なものではなく、市場の営業を行いながら、建物や配置の一部を一時移転させて最小限のリフォームを行うプラン。小島氏は「昔より建築技術は進んでいる。営業しながら改修する事例や、アスベスト対策工事の事例も、今は積み重ねがある」と指摘。「(築地の)業者との合意ができるのなら、十分に可能なもの」とした。

 一方で、豊洲市場に移転した後に引き起こされる新たな問題点も挙げた。築地残留よりも年間の管理費が61億円増えるとし、毎年約150億円の損失が累積すると説明。開場から20年以内に都の市場会計はショートする可能性があるとした。会計の破綻を防ぐには〈1〉使用料を上げて、使用料収入を2倍にする〈2〉都内に11ある市場を順次売却して赤字を補う〈3〉税収で補てんする、など、ややハードルの高い案を示した。

 市場移転をめぐっては、19日に都が豊洲市場の地下水再調査で、環境基準の100倍にあたるベンゼンなどを検出したと発表。移転の可否が不透明な状況となり、小池氏も方向性について明言していない。

 同PTは昨年8月、小池氏が移転問題を検証するために新たに設立したもの。小島氏は小池氏の環境相時代の部下にあたる人物で、私案とはいえ、新たに築地改修の期間と金額を表明し、そのメリットを示したことは大きな意味を持つ。

 小島氏は会議後、報道陣の取材に応じ「今回の提示は案というほど確かなものではない」と前置きしながら「今後検討を重ねて4月に素案、5月にきちんとした案として報告書を提出したい」と述べた。

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