1億総「宅配BOX」社会!宅配便再配達問題解決へ夢プラン

2017年4月22日6時0分  スポーツ報知
  • 京急・平和島駅に設置された「PUDOステーション」

 インターネット通販の普及で宅配便が増加したことに伴い、「再配達」によるドライバーら宅配業者への負担増の問題が最近、クローズアップされている。共働き世帯などは、どうしても昼間の1回目の配達で荷物を受け取れないケースが多い。そうした中で関連各業界が提案する新たな荷物の受け取り方について、探った。(芝野 栄一)

 宅配業界は、自宅以外での荷物受け取りを促そうと、動き出している。「クロネコ」のヤマトグループは昨年、仏企業と合弁会社を設立し、宅配便受け取りロッカー「PUDO(プドー)ステーション」のサービスを始めた。鉄道の駅や駐輪場、ディスカウントストア(ビッグ・エーほか)などに順次設置し始めている。同ロッカーは、他社へも利用を開放する「オープン型」となっている。

 現在9都府県にあり、首都圏は東京、埼玉、神奈川、千葉の約240か所で利用できる。設置場所選定などにはヤマト運輸の「再配達」に関するデータを利用。同社広報戦略部は「今年度中には全国2500か所に設置したい」としている。

 ヤマト運輸の場合、同社ホームページからクロネコメンバーズに登録し、お知らせメールの利用設定をすると配達前に「お届け予定eメール」が、さらに配達して不在の場合は「ご不在連絡eメール」が届く。そこで最初の配達、または再配達の受け取り場所を同ロッカーに指定すると解錠用のパスワードがメールで送られてくる。一部は佐川急便も「不在再配達」に限り利用できるが、ユーザーIDの登録が必要だ。両社とも荷物の中身、大きさなどによって対応できない場合もある。

 JR、私鉄は首都圏で75駅に設置。8駅に設置している京急によると「平和島駅は昨年12月に導入しました。当初はお客様の反応は今ひとつでしたが、今年から佐川急便も利用できるようになり、稼働率が上がっています」という。佐川急便の荷物も扱う宅配便ロッカー設置駅は現在17にとどまる。委託する宅配業者が払う手数料などコストとの兼ね合いもあるが、利用できる業者の数が増えれば、さらに便利なサービスとなりそうだ。

 自宅受け取りでは、一戸建て住宅専用の宅配ボックスが注目されている。パナソニックが販売する「コンボ」シリーズは3月の受注量が、昨年の月平均生産数の約5倍に急増。同社では「宅配業界に関する報道が相次ぎ、知名度が上がった」とみている。

 最も注文が多いミドルタイプは、ボックス内に10キロの米袋で2つ分ほど収められ、外寸は高さ59センチ×幅39センチ×奥行き約46センチ。荷物を前から出し入れするFFタイプが7万7300円、後ろから出すFRタイプが8万8500円(工事代別)。サイズ違いなど4タイプあり、色が豊富で家の外観に合わせられる。門扉などの壁に埋め込むか、別売りの据え置き施工用ベースで玄関先などに固定する。

 業者が荷物を入れ、施錠する際の扉開閉は非電気式のボタンとレバーを操作する。ピッキングに強い特殊キーを使用。施錠後、業者が伝票を差し入れ口から入れ、操作をすれば、自動でなつ印される。なつ印用で使えるのはシャチハタ製「ネーム9」で、扉の裏にセットしておく。帰宅後、ボックスに「使用中」の表示が出ていれば解錠し、取り出すという仕組みだ。注文が集中している現在は「1か月から2か月待ちの状態」だという。

 パナソニックは新製品のアパート用宅配ボックス(6万9500円から)の受注も6月から始める。すでに集合住宅用を販売している宅配ボックスメーカー・ナスタ社でも、好調な売れ行きだという。宅配ボックスが一戸建てやアパートで“標準装備”となる日が来るかもしれない(価格は税別)。

 マンション業界でも新しい動きがある。「ライオンズマンション」シリーズを展開する大京はこのほど、宅配ボックス総合メーカー・フルタイムシステムと共同で、戸別専用宅配ボックス「ライオンズマイボックス」を開発したと発表した。

 宅配ボックスが全世帯につく。マンションの宅配ボックスといえば共用で、使える世帯数に限りがあるのが通常だったが、今回のボックスは郵便受けと一体化し、一世帯に一つ割り当てられている。

 先に荷物が入っていても、ほかの業者が追加して入れられるのが最大の売りだ。あらかじめ宅配業者(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)に扉を解錠できる磁気カードを預けておき、複数の業者が開閉できるようにする。セキュリティーは、開閉の履歴を記録することで確保するという。

 全戸共有の従来型宅配ボックスも備えており、戸別に入りきらない荷物はそこで収容。荷物を放置している世帯主には、メールなどで連絡する。

 来年3月に完成する大京の5物件で導入され、同4月以降も「10物件程度」で予定。今後、フルタイムシステムの販路を通じて他マンションへの導入も目指していく。

 大京が初めて物件に共同宅配ボックスを設置したのは1987年。「その時は業界初ではありませんでしたが、郵便受けと一体化した今回の戸別タイプは初めて」と同社の担当者は強調している。

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