小池都知事にウルトラC案浮上「豊洲仮移転」→「築地Uターン」

2017年6月20日6時0分  スポーツ報知
  • 小池百合子都知事

 豊洲市場(江東区)への移転を巡り、東京都の小池百合子知事(64)が築地市場(中央区)の機能をいったん豊洲へと移し、築地を全面的に整備した上で再度築地を市場として活用する「Uターン構想」を検討していることが19日、関係者への取材で分かった。市場問題について小池氏は23日の東京都議選の告示までに方向性を示す可能性が高い。都議選に向けた企画「都民のご意向」第2回は都民ファースト代表の小池氏のインタビュー。

 小池知事は23日の都議選告示前にも豊洲市場問題について、何らかの判断を示すとみられている。

 これまでは「豊洲市場に実質的に市場機能を移転させた上で、築地市場の一部を場外市場と隣接する形で残し、営業を続ける。築地の残る土地は民間事業者に50年の定期借地として、収益を生む形での再開発」が有力とみられていた。

 市場問題プロジェクトチーム(小島敏郎座長)はこれまでの報告書の中で、豊洲に完全に移転した場合、減価償却を含めれば豊洲だけで年92億円、都の市場会計全体では年100億~150億円の赤字を計上すると分析。60年後の累積赤字は1兆円としている。築地の土地を貸すことで赤字を極力抑えようという考え方だ。

 だが、小池氏はこれとは別の“ウルトラC”を検討していた。関係者によると、豊洲市場の土壌汚染対策を行った上で、豊洲に一時的に移転。その間に築地市場を取り壊し、整備する。将来は築地に戻り、空いた豊洲はITなどを取り入れた物流センターなどとして活用する「Uターン構想」だ。関係者は「築地から豊洲に一時的に移転する案は検討している。難しい判断だ」と明かした。

 最大のメリットは築地再整備における工期の短縮にある。小池知事は今後も「築地ブランド」を積極的に活用していく方針を固めている。「市場を使いながら直す」方法とは違い、豊洲に市場機能を全面移転させることで築地を再整備する際の空きスペースが生まれ、約3年半という短い期間での工事が可能という。

 しかし、クリアすべきハードルもある。築地を全面的に整備するためにかかる費用は約800億円。豊洲を市場以外の目的で使うために改修費用など支出がさらに増えることは確実だ。また、豊洲市場の開場を見込んで豊洲に建設される温泉・商業施設「千客万来施設」の先行きも不透明だ。豊洲市場を期間限定で使う場合、恒久的な移転を見込んで設備投資した業者への対応も必要となる。

 小池氏はどちらを選択するのか?

 ◆築地市場移転問題経緯

 ▼2016年8月 同11月7日に予定されていた豊洲市場の開場延期を表明

 ▼同9月 土壌汚染対策などの対応を検討する専門化会議や市場問題プロジェクトチーム(PT)を設置

 ▼17年1月 豊洲市場の地下水から環境基準値を大幅に上回るベンゼンなどを検出

 ▼同4月 市場PTが築地市場再整備、豊洲移転案などの原案を示す

 ▼同6月 専門家会議が土壌汚染対策などを盛り込んだ対策をまとめる。市場PTは築地再整備、築地と豊洲の両市場を活用する案

 ▼同15、16日 市場のあり方戦略本部を開催

 ▼同17日 小池知事が築地市場を訪問。豊洲市場の地下水から環境基準値を超す濃度の有害物質が検出され「無害化」の約束が守れていないとして謝罪

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