北朝鮮、ミサイル4発同時発射計画 島根、広島、高知3県の上空通過しグアム沖目標

2017年8月11日7時0分  スポーツ報知

 北朝鮮の朝鮮人民軍の金絡謙(キム・ラクキョム)戦略軍司令官は9日、ミサイル発射計画について新型中距離弾道ミサイル「火星12」を島根、広島、高知の3県の上空を通過させ、グアム沖30~40キロの海上に4発同時に撃ち込む案を検討していると表明した。朝鮮中央通信が10日、伝えた。北朝鮮が日本国内の具体的な地名を挙げたことで、“名指し”された各県では緊張感が高まった。また、小野寺五典防衛相はミサイルが発射された場合、海上自衛隊のイージス艦が集団的自衛権を行使し、迎撃可能であるとの認識を示した。

 日を追うごとに激化し、より内容が具体的になってきた北朝鮮のミサイル発射計画が、ついに日本の地名が挙がる事態を迎えた。

 金司令官は、トランプ米大統領が北朝鮮に「炎と怒りに直面する」と武力行使を示唆して警告したことについて「わがミサイル兵の神経を一層鋭く刺激している。国民に必勝の信念と勇気を与え、米国の哀れな立場を認識させる」と反発。「火星12」4発を同時に発射し、グアム沖30~40キロの海上に撃ち込む案を検討していると発表した。8日に発表した計画からさらに踏み込んだ形。4発同時発射は、確実に標的を破壊する能力があるとアピールするためとみられる。

 内容を具体的に公表することで、軍事力を背景に圧力をかけるトランプ政権へのけん制を強めた形だが、同時に公表されたのはミサイルが島根など3県の上空を通過するという計画。各県の危機管理担当者は、慌ただしく情報収集に追われた。

 広島県危機管理課の担当者は「Jアラート(全国瞬時警報システム)が鳴る可能性が高くなった。これまで以上に備えを徹底していかねば」。島根県はミサイル発射に備えてこの日午後、防災部長や各部局の課長らによる危機管理連絡会議を開催することを決めた。

 ミサイルが発射され、米側が迎撃を決断した場合、米軍はまず北朝鮮に近い海域においてイージス艦の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)で迎撃を試みるとみられる。撃ち漏らせば、グアムのアンダーセン空軍基地に配備している最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」などで対応する構えだ。

 一方、日本のミサイル防衛も2段構え。現在、海上自衛隊が6隻保有するイージス艦のSM3で迎撃後、空自の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で対応する。3県にはPAC3部隊が普段は展開されていないため、情勢緊迫の際には近隣の基地から移動させる見通しだ。

 小野寺防衛相は有事の際には日本も「迎撃可能」と言及。「日本の安全保障にとって米国の抑止力、打撃力の欠如は存立危機に当たる可能性がないとは言えない」と、安全保障関連法に基づく存立危機事態と認定して集団的自衛権を行使できるとの認識を示した。

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