北ミサイル通過予測4県に 発射時期不明も政府早期の備えPAC3配置

2017年8月12日5時0分  スポーツ報知

 北朝鮮が米領グアム周辺に弾道ミサイルを発射する構えを見せていることを受けて、政府は11日、日本国内への落下に備えて空自の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を展開することを決めた。北朝鮮が上空を通過するとした島根、広島、高知に愛媛県を加えた4県の陸上自衛隊駐屯地に配置する。一方、トランプ米大統領は10日も「グアムに何かすれば、北朝鮮で見たこともないようなことが起きる」と警告。北朝鮮情勢は予断を許さない状況が続いている。

 PAC3の4県への展開は12日午前には作業を終える見通しだ。いずれも普段部隊が配置されていない空白地帯のため、近隣の基地から移動させる。展開先は出雲(島根)、海田市(広島)、松山、高知の各駐屯地。ミサイルの迎撃には自衛隊法に基づく破壊措置命令が必要で、政府は弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮情勢を受け、昨年8月から命令を継続している。東京・市谷の防衛省などにも常時、PAC3が展開している。

 省内には「発射時期が判明していない段階で部隊が動くと、国民の不安をあおりかねない」との慎重意見もあった。米朝双方の出方が見通せない中、早期の備えが必要と判断したようだ。

 日本のミサイル防衛(MD)は二段構え。イージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)で破壊を試み、撃ち漏らした場合、空自のPAC3で対応する。PAC3は北朝鮮のミサイルが不具合などで日本の領土や領海に落下するなど、不測の事態が起きた場合に使用される。

 トランプ米大統領は、警告、威嚇をさらに先鋭化させた。8日には北朝鮮が「炎と怒り」に直面することになると露骨な武力行使の脅しをかけ、不必要に緊張をあおっているとの批判も出たが「厳しさが足りなかったかもしれない」と逆にボルテージを上げた。11日にはツイッターに「北朝鮮が浅はかな行動を取るなら、軍事的対応を取る準備は完全に整っている。金正恩氏には違う道を見つけてほしい」と投稿した。

 トランプ氏の発言について日本政府は「米国の抑止力を確保することは、わが国にとって極めて重要だ」(菅義偉官房長官)と表向きは支持する立場だが、「どこまで計算しているのか分からない」(官邸筋)と真意をいぶかる声も多い。

 ティラーソン国務長官は「米国民は心配せず、ぐっすり眠ってほしい」と発言するなど、政権は外交努力に集中していると強調している、連携が取れていないとの見方も強い。米政府高官は17日にワシントンで開く外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で「日本側と認識をすり合わせる」と語り、不安解消に努める意向を示した。

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