世界最高齢男性のアウシュビッツ生還者クリスタルさん死去…世界一は北海道在住112歳に

2017年8月13日5時0分  スポーツ報知
  • 昨年3月、世界最高齢男性とギネス認定された時のイスラエル・クリスタルさん(ギネス・ワールド・レコーズ提供、共同)

 世界最高齢の男性としてギネス認定されていたイスラエル北部ハイファ在住のイスラエル・クリスタルさんが現地時間11日に死去していたことが分かった。113歳と331日だった。現在のポーランドに生まれ、第2次世界大戦中にナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所に送られたが生還し、その後はイスラエルに移住していた。クリスタルさんの死で、男性の世界最高齢は北海道に住む112歳の野中正造(まさぞう)さんとなった。

 100万人以上のユダヤ人が収容され、多くの人が虐殺されたアウシュビッツからの「生還者」として世界の変化を見届けてきたクリスタルさんが、静かに息を引き取った。

 ユダヤ人のクリスタルさんがポーランドで生まれたのは、1903年9月15日。同国第2の都市、ウッチにある製菓工場で働いていた39年、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻したことで同都市のゲットー(ユダヤ人居住地区)に移され、さらに43年にアウシュビッツ収容所に妻と2人の子供と共に送られた。家族は収容所で命を落としたが、クリスタルさんだけが生還。ソ連兵によって解放された時、体重はわずか37キロしかなかったという。

 終戦から5年後の50年、クリスタルさんは再婚した妻と、その間にもうけた息子と共にイスラエルへ移住。菓子店を営み、平穏な暮らしをしていた。家族にも恵まれ、現在は子供2人、孫9人、ひ孫32人が生存している。

 昨年1月、当時最高齢だった福井県出身の小出保太郎さんが死去したことで、ギネス社が「世界最高齢男性」に認定。同年9月には、ユダヤ教徒の男性が13歳の時に行う成人の儀式「バル・ミツワー」を“一世紀遅れ”で執り行った。当時、クリスタルさんは長寿の秘訣(ひけつ)について聞かれると「なぜ長生きできたのか分からない。すべて、上(神)が決めていることだから」と答え「残された我々にできるのは一生懸命働き、失ったものを再構築することだ」と話していた。

 クリスタルさんの死で世界最高齢男性となった野中さんは1905年生まれ。7月には112歳の誕生日を北海道足寄町にある実家の温泉旅館で迎えた。一方、女性ではジャマイカ人のバイオレット・ブラウンさんが1900年生まれの117歳で世界最高齢とされている。長寿ランキングは圧倒的に「女性上位」で、米老年学研究グループの調べでは野中さんでも43位だ。

 ちなみに、過去に最も長く生きたとされるのがフランス人女性のジャンヌ・カルマンさん。97年に122歳で死去した。

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