お盆で帰省中の悲劇…O157で3歳女児死亡 トング使い回しで二次汚染可能性か

2017年9月14日7時0分  スポーツ報知

 群馬県と埼玉県にある総菜店「でりしゃす」で販売されたポテトサラダなどを食べた人から相次いで腸管出血性大腸菌O157が検出された問題で、前橋市は13日、同市内の「でりしゃす六供(ろっく)店」で購入した総菜を食べた東京都在住の3歳の女児が死亡したことを発表した。この集団食中毒で死亡者が出たのは初めて。この日、女の子を含む新たな感染者が2人発表され、感染者は22人となった。女の子が食べたのはタケノコやエビの炒(いた)め物など4品で、いずれも加熱されたものだった。

 会見した前橋市保健所によると、女児は8月11日、「でりしゃす六供店」で購入された総菜を11人のグループで食べた。保護者に連れられての盆の帰省中だったとみられる。体調の異変に気がついたのは8月中旬。都内の病院に入院したが、今月上旬に亡くなったという。女児と一緒に食事をした前橋市の60代女性もほぼ同時期に発症し、現在は加療中だ。

 このグループは「六供店」で7品を購入。発症した2人が共通して食べたのは「天ぷら唐揚げゴーヤちゃんぷる」「きんぴら筑前煮」「タケノコ炒め」「エビ炒め」の4品でいずれも加熱されたものだ。市職員によると「タケノコ炒め」はチンジャオロース、「エビ炒め」はエビチリだったとみられる。

 「六供店」は8月13日に別の9人が発症したことを受けて、8月30日から9月1日まで営業停止処分を受け、併せて保健所は群馬県高崎市の食品加工工場や店舗内の調理器具、すべての従業員の便などを検査したが、今のところO157は検出されていない。

 汚染ルートは特定できていないが、前橋市保健所の渡邉直行所長は、同店が、不特定多数の客が陳列されている総菜を自分で盛りつけて購入するバイキング形式であることが「盲点」だったと指摘。トングの使い回しなどにより店内で二次汚染が起きた可能性があると説明した。しかし、埼玉県内の「籠原店」「熊谷店」でも同様の発症例があり、客による二次感染と考えるには不自然な点も残る。

系列店も発症不自然な点も 「でりしゃす」を運営する株式会社フレッシュコーポレーション(群馬県太田市)は、13日から「六供店」の営業を原因が解明されるまで自粛することを決定。ホームページで「最終販売者として亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます」「感染源の特定に向け、所轄保健所の調査に全面的に協力してまいります」とした。

 「六供店」の営業自粛を知らずに訪れた客らは「感染経路が分からず怖い」と不安の声を上げた。弁当を買うため訪れた前橋市の大学生・大手佑馬さん(19)は「手軽でおいしいのでよく利用していたが、まさか人が亡くなるなんて。自分が感染していたかもしれない」と驚いた様子だった。

総菜を購入した客がO157に感染した「でりしゃす六供店」

 ◆O157 腸管出血性大腸菌の一種で、少量でも食中毒の原因となる。発熱や下痢、血便を引き起こし、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を併発して死亡することもある。抵抗力が弱い乳幼児や高齢者は重症化しやすい。生または加熱が不十分な肉、野菜など幅広い食品で感染例がある。75度で1分以上加熱するか塩素で殺菌する。

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