女流アマ名人に富山市の中2・野原未蘭さん 秘策「英春流」

2017年9月23日20時8分  スポーツ報知
  • 新女流アマ名人となり、日本将棋連盟・森下卓常務理事からトロフィーを受け取る野原未蘭さん
  • 新女流アマ名人となった野原未蘭さん

 将棋の女流アマチュア日本一を決める「第49期女流アマ名人戦」(主催=日本将棋連盟・天童市、後援=報知新聞社、特別協賛=小学館)の決勝大会が23日、山形県天童市の「ほほえみの宿 滝の湯」で行われ、富山市立岩瀬中学2年の野原未蘭(みらん)さん(14)が優勝し、新女流アマ名人に輝いた。

 師匠直伝の秘策で全国の頂点を極めた。「誰も指さない戦法ですけど、自分の世界に持ち込めるので指していて面白いです」。決勝。将棋の初手は飛車先を突く▲2六歩か、角道を開ける▲7六歩のどちらかを選択することがほとんどだが、野原さんの初手はいきなり端歩を突く▲9六歩だった。その後も▲4八銀~▲7八金と斬新すぎる駒組で自玉を堅陣に囲うと、細い攻めをうまくつないで後手を翻弄。一昨年は予選落ち、昨年はベスト8止まりだったビッグタイトルをさらった。「うまく指すことが出来て、なんとか押し切れました」。決勝の相手だった東京都品川区の中学1年生・内山あやさん(13)は「あの指し方で来ることは分かっていたんですけど、見たことがなくて…」と驚きの表情で振り返った。

 野原さんが採用したのは、元奨励会三段で伝説のアマチュアとして知られ、井道千尋女流二段(29)を育てた師匠・鈴木英春(えいしゅん)さん(67)の序盤戦術「英春流」。野原さんは金沢市内にある鈴木さんの道場に毎週通い、秘術の手ほどきを受けてきた。「小4の時に初めて教えていただいた時に衝撃を受けて、使うようになりました。本当に尊敬できる師匠です。決勝の前に電話したら『実力を発揮できたら絶対に勝てるから』って言っていただいて、頑張ることが出来ました」。先手番では常に初手▲9六歩を指した今大会。直伝の技の威力、恐ろしさを大舞台で証明した。

 6歳の時に父・克仁さん(47)から教わり、将棋を始めた。「いろいろな手を考えられるのが本当に楽しいです」。平日は2~3時間、休日は8時間くらいは将棋の勉強に没頭している。昨年末に女子アマ王位に、今年は男女を問わない中学生名人戦でもベスト8に入るなど活躍を続けるが「いちばん大きな大会に優勝できたのが本当にうれしいです」とアマ女流名人の戴冠を喜んだ。

 来年で50年の節目を迎える女流アマ名人戦は清水市代女流六段(48)、香川愛生女流三段(24)らタイトルホルダーも輩出した女流棋士の登竜門。「夢は女流棋士になってタイトルを獲ることです」と瞳を輝かせる野原さんは、同じ中学生ながら公式戦29連勝の歴代新記録を樹立した史上最年少棋士・中学3年生の藤井聡太四段(15)について「同じ中学生とはとても思えないです。尊敬しています」と語っていた。

 ◆各クラス優勝者 ▽名人 野原未蘭(富山)▽A 山口稀良莉(岐阜)▽B 鎌田美礼(茨城)▽C1 清水藍理(東京)▽C2 三堀七々恵(神奈川)

 ▼決勝の棋譜

▲野原未蘭さん

△内山あやさん

(持ち時間各20分)

▲9六歩 △8四歩

▲4八銀 △8五歩

▲7八金 △3四歩

▲5六歩 △3二金

▲5七銀 △5二金

▲6九玉 △4一玉

▲5八金 △8六歩

▲同 歩 △同 飛

▲8七歩 △8二飛

▲2六歩 △7二銀

▲2五歩 △8三銀

▲7六歩 △7四銀

▲7七桂 △9四歩

▲6六歩 △1四歩

▲6七金右△6四歩

▲6八銀上△4二銀

▲3六歩 △4四歩

▲5五歩 △4三銀

▲5六銀 △6三銀

▲5七銀 △4二金右

▲4六銀 △3一玉

▲3五歩 △5四歩

▲同 歩 △5二飛

▲2四歩 △同 歩

▲同 飛 △5四銀右

▲5五歩 △2三歩

▲2八飛 △4五銀

▲同銀右 △同 歩

▲9七角 △5四歩

▲6三銀 △5三飛

▲5四銀成△同 銀

▲同 歩 △4三飛

▲5三銀 △5五銀

▲4二銀成△同 金

▲5三金 △同 金

▲同歩成 △同 飛

▲5四歩 △6三飛

▲5三金 △3二金

▲6三金 △5六銀

▲7一飛 △4一銀

▲5六金 △4四角

▲6四角 △4二銀打

▲5三歩成△5一銀打

▲4五金 △6二歩

▲4二と △同銀右

▲5二金 △5一歩

▲4一金 △同 玉

▲4四金

まで95手で野原さんの勝ち

  • 楽天SocialNewsに投稿!
社会
今日のスポーツ報知(東京版)
報知ブログ(最新更新分)一覧へ