東京高裁、エレベーター19基中18基が使用中止で裁判期日10件が変更や取り消し

2018年1月11日7時0分  スポーツ報知
  • ほとんどのエレベーターが停止した東京・霞が関の裁判所合同庁舎

 東京高裁は10日、高裁や東京地裁、東京簡裁が入る東京・霞が関の裁判所合同庁舎のエレベーターで、空気中にアスベスト(石綿)が含まれている恐れがあるとして、同日朝から来庁者用のエレベーター19基のうち、18基の使用を中止した。同日予定されていた裁判のうち、高裁の刑事7件、民事2件、地裁の刑事1件の計10件の期日を変更したり、取り消したりした。

 高裁によると、エレベーターシャフト(かごが通過する空間)の壁の建材に石綿が含まれていることを考慮して、2014年から年に2回、シャフト内の調査を実施。昨年12月16日の結果が9日夜に判明し、石綿の可能性がある物質が見つかったため使用中止を決めたという。来庁者には事前に周知をしていなかった。

 庁舎は1983年に完成した地上19階、地下3階建て。来庁者向けのエレベーターは、地下1~地上9階まで各階に止まる低層階用と地下1階・地上1階・8階以上に止まる高層階用がある。07年から順次、更新工事を行っており、その中で石綿の固化工事もしていた。今回の結果が工事の影響によるものかどうかは分かっていないが、これまでの調査で石綿が検出されたことはなかったという。

 唯一稼働20分待ち 唯一稼働しているエレベーターの1階扉前には数十人の利用者の列ができ、廊下には「ここから(エレベーターに乗れるまで)20分かかります」と書かれた掲示も。職員がハンディータイプの拡声機で「本日はエレベーターの使用はできません。誠にご迷惑をおかけしますが、近くの階段をご利用ください」とアナウンスを続けた。慌てて階段を駆け上がる人の姿もあった。

 再開の時期は未定 高裁は検査の結果、安全が確認されるまで運転を中止する方針で、再開の時期は未定。同所の1日の利用者は多い時で1万人を超える。職員や裁判官、弁護士以外にも傍聴者など多くの人の出入りがあることから、復旧までの期間が長引けば、業務や裁判のスケジュールなどに多大な影響を及ぼすことが考えられる。

 ◆アスベスト 石綿とも呼ばれる鉱物繊維。耐熱性、断熱性、耐久性などに優れ、建材、水道管、電線、自動車のクラッチやブレーキなどに使われてきたが、粉じんを吸い込むと、肺がんや悪性中皮腫などの発がん性が高く、2006年に使用、製造、輸入が禁止された。現在は建物内の除去工事に対する助成金が出ているが、20年に打ち切られる予定。無処置のまま建物が解体された場合、周辺住民に被害が出る恐れがある。

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