里見女流名人の王手か、挑戦者・伊藤女流二段がタイに戻すか―女流名人戦5番勝負第2局

スポーツ報知
出雲大社を訪れ、「大しめ縄」の前でポーズをとる里見香奈女流名人(右)と伊藤沙恵女流二段

 将棋の第44期岡田美術館杯女流名人戦5番勝負(主催=報知新聞社・日本将棋連盟)の第2局が28日、島根県出雲市の出雲文化伝承館で行われる。自身の記録を更新する史上最多の9連覇に向けて先勝した里見香奈女流名人(25)と初めての5番勝負登場で初タイトルを目指す挑戦者・伊藤沙恵女流二段(24)は27日に現地入りして対局場検分や出雲大社、前夜祭などの日程に臨んだ。

 絶対王者に対してリードを許しての第2局だが、挑戦者は意外なほど自然体だった。出雲大社で「壮気健全」の御守を購入した伊藤は、参拝後に「勝利? いえ…縁結びをお願いしました~。将棋のこともお祈りした方がよかったでしょうか…」と女子らしいテレ笑い。根っからのスターバックスコーヒーファンだけに、スタバファンの間で知られる出雲大社店に足を運ぶと知る人ぞ知る限定マグカップを購入し「後悔しないためには買うしかないです!」とホクホク顔を見せていた。

 タイに戻すための一局となるが「飛行機が着陸する時、滑走路に積もる雪を初めて見ました。初めて来させていただいた土地ですし、積もってる雪のように真っ白な気持ちで臨みたいと思います」と初心に帰って臨む。「過去を引きずるのは良くないですからね。今回は先後(先手・里見、後手・伊藤)が決まっていることもありますし、気持ちは切り替わっています」

 一方、生まれ育った故郷で一気に王手を掛けたい里見は、参拝を終え「健康でありますように、とお願いしました。楽しみにしていた出雲対局なので力を出し切りたいです」と抱負。ホームだけに、こちらもリラックスした表情だった。「伊藤さんは局後のコメントを読んでも、勝負に懸ける並々ならぬ思いを感じるので、しっかりと指したいです」。今期の女流タイトル戦だけで4度目の顔合わせとなったゴールデンカード。シリーズの行方を占う第2局となる。

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