藤井「五段」誕生なるか 藤井四段が史上初の中学生五段へ

スポーツ報知
勝てば五段昇段となる対局で2手目を指す藤井聡太四段

 将棋の史上最年少棋士・中学3年生の藤井聡太四段(15)と梶浦宏孝四段(22)による順位戦C級2組の9回戦が1日午前10時、東京都渋谷区の将棋会館で始まった。藤井四段は勝利するとC級1組昇級を決め、同時に中学生初の五段となる。

 テレビカメラ8台、報道陣約30人が見守る中で後手番の藤井四段は、コップに入れたカフェオレをグッと口に含んでから2手目を指した。

 順位戦は名人を目指す棋戦。50人が在籍するC級2組は5階級の最下級で、年度に各自が10局を指して上位3人のみがC級1組に昇級する。

 8回戦を終えた時点で8戦全勝は藤井四段のみ。1敗勢も2人しかいないため、藤井四段は梶浦四段戦で勝利すると、最終10回戦を待たずに昇級を決める。

 四段が五段に昇段するには、〈1〉竜王戦ランキング戦連続2回昇級または通算3回優勝 〈2〉順位戦C級1組昇級 〈3〉タイトル挑戦 〈4〉全棋士参加棋戦優勝 〈5〉公式戦100勝 の5つの規定があり、藤井四段は勝利によって〈2〉を満たす。

 藤井四段は現在15歳6か月。昨年引退した「ひふみん」こと加藤一二三九段(78)が1955年に樹立した最年少五段昇段記録の15歳3か月にはわずかに遅れを取るものの、加藤九段は1月生まれのため、五段に昇段したのは高校1年生になった当日の4月1日付。現在は昇段確定の当日付で昇段する規定に変更されたこともあり、藤井四段は史上初の「中学生五段」となる。

 さらに、藤井四段は今月17日に第11回朝日杯オープン戦準決勝にも出場する。仮に五段昇段を果たした上、同準決勝で羽生善治竜王(47)に勝ち、決勝でも久保利明王将(42)と広瀬章人八段(31)の勝者も破った場合は「五段昇段後の全棋士参加棋戦優勝」の規定を満たし、一気に六段に昇段することになる。

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