Amazon創業者・ベゾス氏が長者番付世界一に 11兆8000億円

スポーツ報知

 米経済誌「フォーブス」が6日(日本時間7日)、2018年版の世界の長者番付を発表し、米インターネット通販大手アマゾン・コムの創業者で最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏(54)が保有資産1120億ドル(約11兆8000億円)で初のトップを獲得した。昨年まで4年連続、通算18度のトップだった米IT大手マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏(62)が2位。日本勢の最高はソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(60)で、39位(227億ドル=約2兆4000億円)だった。

 日本でも利用者が激増して配送業者不足が問題になるなど、事業が大幅に拡大しているアマゾンのCEOが、初めて「世界一の大金持ち」に輝いた。

 昨年は3位だったベゾス氏は、1年間で資産が392億ドル(約4兆1300億円)増加。これは、今年で32回目となる長者番付の中では史上最大の上げ幅で、初の1000億ドル超えを果たした。2位のゲイツ氏も昨年と比べると40億ドル増加させ、900億ドル(約9兆5000億円)としたが、あっさり逆転。過去24年間で18回手にしていた“指定席”の座を明け渡した。

 ベゾス氏の資産が大きく膨らんだ要因となったのが、創業者として16%を保有しているアマゾン株の存在だ。同社の事業拡大への期待感から、株価がアップした。米ベンチャー企業向けの株式市場・ナスダックでの株価は、昨年同時期から約1・7倍に。同市場の指数が1・3倍であるのと比較して大幅に上昇した。アマゾンは企業価値を示す株式時価総額でも今年2月、マイクロソフトを抜いてトップとなっていた。

 日本からは孫氏が昨年に続き2年連続でトップとなった。227億ドルは世界で39位だが、昨年からは5ランクのダウン。衣料品店ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(55)が195億ドル(約2兆500億円)、全体55位で続いた。同誌の番付は1987年からスタートしたが、同年~90、93、94年は堤義明氏(元西武鉄道グループオーナー)、91、92年は森泰吉郎氏(森ビル創業者、93年死去)と8年連続で日本勢がトップだった。

 「不動産王」として知られるトランプ米大統領は31億ドル(約3270億円)で766位と、17年版の544位から大きく後退。ニューヨーク中心部のマンハッタンに所有する高層ビル「トランプタワー」などの資産価値低下が響いた。

 ◆ジェフ・ベゾス 本名はジェフリー・プレストン・ベゾス。1964年1月12日、米ニューメキシコ州アルバカーキ生まれ。54歳。プリンストン大卒業後、ウォール街の金融機関、ヘッジファンドを経て94年にワシントン州シアトルに移住し、インターネット書店を設立。95年7月「アマゾン・コム」を開業し、97年に株式公開。2013年、日刊紙ワシントン・ポストを買収。家族は93年に結婚した元同僚のマッケンジー夫人と3男1女。

 ◆1120億ドル(11兆8000億円)ってどれくらい?

 ▼国1つに相当 モロッコ(1014億ドル、16年)、エクアドル(1023億ドル、14年)のGDPとほぼ同じ。

 ▼1万円札で並べると… 1枚の横幅が16センチ。1枚ずつ並べていくと、11億8000万枚で18万8800キロとなり、地球4周半強。

 ▼年間発行枚数とほぼ同じ 1万円札の17年度製造計画枚数は12億3000万枚(12兆3000億円分)。

 ▼日本国民全員が“おこづかい”をもらったら… 人口は約1億2600万人。1人あたり約9万3600円。

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