1200年続く「国府宮はだか祭」で40歳「裸男」死亡

スポーツ報知

 愛知県稲沢市の国府宮(こうのみや)神社で2月28日に行われた奇祭「国府宮はだか祭」に「裸男」として参加し、他の参加者ともみ合って心肺停止状態となっていた同市の男性(40)が、入院先の病院で15日に死亡していたことが16日、分かった。

 稲沢署によると、男性は祭りの最中に参道でもみ合いをしているうちに心肺停止状態になった。先月28日の午後5時半ごろに倒れているのが発見され、救急搬送されていた。死因は低酸素脳症という。

 「はだか祭」は正式名称を「儺追神事(なおいしんじ)」といい、約1200年前から続く行事。ふんどし姿の裸男たちが厄を落とそうと激しくぶつかり合う奇祭として知られている。志願者の中から、みくじで1人だけ選ばれる「神男(しんおとこ)」に触ると厄が落ちるとされ、この男性に向かって多くの裸男が殺到する。

 同神社によると、今年は8100人の裸男が参加。ただ、ふんどし姿にはなるものの、裸になれない老若男女が厄よけの祈願を込めた布を結び付けた「なおい笹(ささ)」を神社に奉納するだけの男性も多く、もみ合いに参加するのは2000人程度という。今年の祭りの見物客は、約20万人と発表されていた。

 「はだか祭」では、2003年にももみ合いの最中に踏みつけられた当時32歳の男性が、外傷性窒息症候群のために祭りから約2か月後に死亡したことがあった。飲酒して参加した裸男が急性アルコール中毒で搬送されることも多い。負傷者が出ることもあるため、神社では毎年、注意を呼び掛けていた。

 ◆主な祭りでの死亡事故  
 ▼大阪「岸和田だんじり祭」 06年10月、地車が曲がりきれず塀に激突。男性1人死亡。16、17年にも死者が出た。
 ▼佐賀「伊万里トンテントン」 06年10月、団車の下敷きになり、参加していた16歳男性が死亡。
 ▼岡山「西大寺裸祭り」 07年2月、本堂から投げられた宝木の取り合いで他の参加者らの下敷きになり、男性1人死亡。
 ▼茨城「小美玉市夏祭り」 08年8月、山車の舞台で踊っていた男性が転落し、死亡。
 ▼兵庫「灘のけんか祭り」 09年10月、屋台に頭を挟まれ男性が死亡。
 ▼長野「諏訪大社 御柱祭」 10年5月、木柱から落下し男性2人死亡。16年にも死者が出た。
 ▼兵庫「福良八幡神社例祭」 13年4月、だんじりを押していた13歳男子が、後退しただんじりのタイヤに頭部をひかれて死亡。
 ▼青森「弘前ねぷたまつり」 14年8月、ねぷた内部の昇降機に頭を挟まれた男性が死亡。
 ▼秋田「角館祭り」 15年9月、2台の曳山(ひきやま)に挟まれ、祭りに参加していた男性死亡。

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