「そだねー」商標登録出願された!…バターサンドでおなじみ・六花亭製菓が

スポーツ報知
競技中に口にする「そだねー」が商標登録された「LS北見」のメンバー

 2月の平昌冬季五輪で銅メダルを獲得したカーリング女子日本代表「LS北見」のメンバーが競技中に使っていた「そだねー」という言葉が、特許庁に商標登録出願されていたことが22日、分かった。

 出願した北海道帯広市の菓子メーカー「六花亭製菓」には、「チームと関係がないのにおかしい」などのクレームが届いており、社内には戸惑いが広がっているという。同社はこの日、ホームページを更新し、独占の意図がないことを明らかにした。

 早くも今年の流行語候補となっている「そだねー」が、商標登録として出願されていたことが明らかになった。

 出願した「六花亭製菓」は、「白い恋人」(石屋製菓)や「じゃがポックル」(カルビー)などと並び、北海道みやげの定番として人気の「マルセイバターサンド」で知られる菓子メーカー。本社の所在地は帯広市で、LS北見の地元の北見市内には店舗はない。

 同社の佐藤哲也社長によると、「そだねー」出願のアイデアを出したのは、新製品の開発などを行う六花亭食文化研究所の所長を務める小田豊・前社長。これまでにも「めんこい(かわいい)」「なんもなんも(いえいえ、気にしないで)」といった北海道の方言を付けた商品があり、「そだねー」が五輪で脚光を浴びたことを受け、「北海道内で使われる親しみのある言葉ということで、商品名として使うことができたら」という意図だったという。悪徳業者に出願されて使えなくならないようにする狙いもあった。

 特許庁によると、出願はLS北見が銅メダルを獲得した5日後の3月1日。商標は分野ごとに取得するが、「そだねー」は「菓子及びパン」の区分で出願された。

 同じ北海道の企業による心温まる話…になるかと思いきや、同社には「無関係な会社なのにおかしい」「なぜ出願したのか」などの苦情の電話や問い合わせが寄せられた。佐藤社長は「まさか、クレームが来るとは思っていなかった。ただ、反響があるということは、それだけ知られる言葉ということでしょう」と驚きを隠せない。

 今後、特許庁による審査が通過すれば、菓子やパンの商品名として使用できるようになる。審査結果は10~11月ごろに出る見通し。同社では、現在の時点でどのような商品に命名するか全く決まっていないとしたが、「そだねー」を独占するつもりはないという。

 佐藤社長によると、今月1日に新発売したつぶあんパイ「北加伊道(ほっかいどう)」の商標を他社から「利用したい」との申し出があり、快諾。「今後『そだねー』という名前の菓子を発売した時にはメンバーの皆さんには食べていただきたいが、『北加伊道』同様に独占するつもりはありません」と話している。

 ◆そだねー 「そうだね」を意味する北海道弁。平昌五輪で銅メダルのカーリング女子代表・LS北見が試合中に会話を交わす際に発言して有名に。お笑い芸人の有吉弘行(43)や元SMAPの香取慎吾(41)も自身のツイッターで「そだねー」とつぶやき、一躍フィーバーが沸き起こった。3月の日本混合ダブルス選手権でも、LS北見の藤沢五月(26)と組んだ男子代表・SC軽井沢クの山口剛史(33)が試合で「そだねー」と発言し、注目を浴びた。

 ◆商標登録されている話題となった言葉

 ▼じぇじぇじぇ NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で能年玲奈(現のん)が演じたヒロイン・アキの口癖。岩手県の菓子製造業・有限会社沢菊が権利者。

 ▼1・2・3・ダァーッ アントニオ猪木参院議員の決めぜりふ。猪木氏の肖像権管理会社・コーラルゼット株式会社が権利者。「元気ですか」なども登録されている。

 ▼おもてなし 2020年の夏季五輪開催地を決定するIOC総会のスピーチで滝川クリステルが使った言葉。分野(区分)ごとに複数の会社が権利者に。

 ▼でもそんなの関係ねぇ~ お笑いタレント・小島よしおのネタ。所属事務所のサンミュージックが権利者。「おっぱっぴー」も登録済み。

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