【東京ドーム30年】初代ドーム王者は巨人だった…夢の12球団トーナメント

スポーツ報知
1988年4月4日付「報知新聞」1面

 日本初の全天候型多目的スタジアム、東京ドーム(東京・文京区後楽)が今年30周年を迎える。1988年3月17日にオープニングセレモニーが行われ、翌18日に巨人・阪神のオープン戦がこけら落としイベントとなった。今年は3月17~19日には公開イベントがなかったが、20日に巨人・日本ハムのオープン戦が行われ、巨人・上原の日本復帰登板に4万6297人の観衆が詰めかける盛況となった。東京ドーム30年の歴史をスポーツ報知の紙面で振り返る。

 ◆1988年4月4日付1面

 東京ドーム元年(1988年)のプロ野球開幕戦は、4月8日の巨人・ヤクルト戦(夜に日本ハム・ロッテ戦)だったが、それに先立つ3月29日から4月3日にかけてセ・パ全12球団による初のトーナメントが行われた。正式名称は「サッポロビール プロ野球トーナメント大会」。報知新聞社などが後援した。

 1回戦は3月29日に阪急11-4中日、大洋1-0ロッテ、30日に日本ハム4-0阪神、南海3-0ヤクルト。2回戦は31日に西武7-2阪急、広島3-2大洋、4月1日に巨人2-1南海、日本ハム3-2近鉄という結果に。

 2日の準決勝は巨人7-1日本ハム、西武2-0広島となり、巨人と西武の決勝戦が決まったが、準決勝報じる3日付の報知新聞1面は巨人ではなく、西武だった。

 西武・郭泰源が広島打線を相手にノーヒットノーラン(6四死球)の快投を見せたのだ。もちろん東京ドームでは初の記録だ。巨人は先発・槙原の好投で大勝したが、2、3面での展開だった。

 3日の決勝戦。まずは3位決定戦が行われ、広島が5-4で日本ハムに勝利した。そして決勝戦は、前年87年の日本シリーズの再現となった。巨人は初回の猛攻であげた4点をガリクソン-鹿取の手堅いリレーで守りきり、4-0で前年日本一の座を譲った西武を撃破した。最優秀選手には決勝打となった先制の2点適時二塁打を決めた巨人・クロマティが選ばれた。

 翌4日の1面は「巨人 春のドーム王者」「宿敵レオ完封 ガリー鹿取熱投」「V打だMVPだクロウ」「G党88いい予感」と開幕前に景気のいい見出しが躍った。

 だが、この88年シーズンは巨人は中日にリーグ優勝を明け渡し、西武が日本シリーズ3連覇を果たすことに。その結末を考えれば、巨人は春の王者になっておいてよかった。東京ドームの記念すべき優勝チーム第1号という歴史を刻んだのである。

(資料探偵・酒井 隆之)=毎週土曜日午前9時に配信=

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