「YouTube」本社で銃乱射 不満募らせたユーチューバーか

スポーツ報知

 米西部カリフォルニア州のサンブルーノにある世界最大の動画投稿サイト「YouTube」の本社で3日(日本時間4日)、銃撃事件があり、少なくとも男女3人が負傷した。容疑者の女は現場で死亡した。自殺と見られる。襲撃の理由について現地メディアは「容疑者が自身が投稿した映像に対する同社の対応に不満を抱いていたため」と報道。この日、大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(23)が初本塁打を放った同州アナハイムとは約600キロ離れた地点での惨劇だった。

 3日前の初登板初勝利に続く、ホームのアナハイムでの初打席初本塁打。「大谷」の名前を地元のファンに華々しくアピールした約6時間半前に、日本の東京―青森間にあたる約600キロ離れたサンブルーノでは凄惨(せいさん)な銃撃事件が起きていた。

 地元警察によると、通報があったのは午後0時45分(日本時間4日午前4時45分)ごろ。昼食時の「YouTube」本社の中庭に、銃を持った女が侵入。オフィスなどが入る建物に近付きながら発砲した。オフィス2階で仕事をしていた男性従業員(37)は「女が中庭で『こっちに来い。捕まえてみろ』と叫びながら撃っている姿が見えた。全力で逃げた」と恐怖の瞬間を語った。

 現地メディアなどによると男1人女2人の計3人が撃たれて病院に搬送。このうち、36歳の男性が重体という。女は同州南部に住むナシム・アハダム(39)容疑者。重体の男性はアハダム容疑者の元交際相手との報道もある。事件後、アハダム容疑者は同社の敷地内で死亡しているのが発見された。拳銃で自殺したとみられる。

 家族によると、アハダム容疑者は同社に対し、強い憎しみを持っていたという。アハダム容疑者は“ユーチューバー”として映像を投稿していたが、「会社側がフィルターをかけ、私の映像を視聴者から遠ざけた」などと別のホームページなどで不満を述べており、家族に対しても2週間前に同社の文句を言っていた。

 先週末にアハダム容疑者と連絡が取れなくなったことから家族は警察に捜索願を出していた。その際にも父が「娘はYoutubeを憎んでいて会社に向かうかも」と話していたという。

 同社を運営する米IT大手グーグルのピチャイ最高経営責任者(CEO)はツイッターで「言葉で表せない惨事があった。従業員らを支援することに注力している」と投稿。

 米国では昨年10月にネバダ州ラスベガスで58人が亡くなる銃乱射事件が発生するなど、銃犯罪が続発している。3月には全米各地で大規模なデモが行われるなど銃規制を求める声が高まっている。

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