辺真一氏「朝鮮半島統一への意思表示」…金正恩氏が徒歩で軍事境界線越え

スポーツ報知

 韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日午前、両国を隔てる軍事境界線上にある板門店で首脳会談を行う。南北首脳会談は10年半ぶり、史上3回目。正恩氏は午前9時半(日本時間同)に徒歩で軍事境界線を越える。朝鮮戦争(1950~53年)の休戦以降、北朝鮮指導者が韓国側に入るのは正恩氏が初めて。会談後に共同宣言を発表する予定で、北朝鮮の非核化に言及するかどうかが焦点。南北双方の合意により、正恩氏が韓国側に入る歴史的瞬間や両首脳の対面、会談の冒頭発言などは生中継で公開される。

 ◆辺真一氏の目
 北朝鮮の最高指導者が軍事境界線を歩いて、またいで来るということは「分断を終わらせて朝鮮半島を統一させるんだ」という意思表示です。世界に与える大きなメッセージになるでしょう。正恩氏は今年の新年のあいさつで「平昌五輪」と「建国70周年式典」(9月9日)の2つを成功させようと強調しました。劇的な融和、和解を演出したいということでしょう。外交、経済の孤立と米国からの軍事的圧迫から脱却したいという背景はあります。

 ただし、非核化については「努力する」「目指す」と言ったアドバルーン的な表現にとどめるかもしれません。北朝鮮の体制を保障できるのは韓国ではなく、米国だからです。非核化を確約するのは、6月上旬の米朝首脳会談でのトランプ米大統領へのお土産として取っておくつもりかもしれません。(コリア・レポート編集長)

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