ザギトワの秋田犬「MASARU」はまさに「秋田美人」と絶賛の声

スポーツ報知
ザギトワに贈られる秋田犬の「MASARU」

 2月に行われた平昌冬季五輪のフィギュアスケート女子で金メダルを獲得したロシアのアリーナ・ザギトワ(15)に贈られる秋田犬「MASARU(まさる)」が3日、秋田県大館市で開かれた秋田犬保存会の「第138回本部展」でお披露目された。ザギトワ自身が写真を見て選んだのは、2月15日に誕生した雌犬。母犬を所有する秋田県大仙市の濱田正巳さん(79)が「まさに“秋田美人”です」と胸を張る。「MASARU」は今月末にもモスクワへ渡り、ザギトワにプレゼントされる。

 「秋田犬日本一」を決める品評会の開始が1時間遅れるほどの雨模様。集まった人たちの気分を晴らしたのは、MASARUの愛らしさだった。本部展の昼休憩時に行われたお披露目。秋田犬保存会会長で衆院議員の遠藤敬氏(49)がMASARUを抱いて登場すると、あちこちから「かわいい~」の声が上がった。

 五輪直前まで新潟で調整していたザギトワが、雑誌で見た秋田犬を気に入ったことが報じられて実現した今回の贈呈。ザギトワは日本語の「勝利」を意味する名前を自ら命名し、心待ちにしていた。全国の犬舎を回って厳選した5頭の写真を見せると、“一目ぼれ”だったという。「彼女の目が最初にいったのが、この犬でしたね。虎毛、白毛も候補の中にいたのですが、赤毛はこの犬だけだったのも理由かもしれません」と遠藤氏は話した。

 MASARUが生まれたのはザギトワが金メダルを獲得する8日前の2月15日で、現在の体重は約8キロ。秋田県大仙市の濱田正巳さんが所有する母犬から誕生した。60年近く秋田犬を飼っているという濱田さんが「こんなにかわいい子犬に出会ったのは初めて。まさに『秋田美人』だと思います」と話す、自慢の一頭だ。この日も、観客の歓声やカメラのフラッシュにもおびえることなく、“女の子”ながら堂々とした振る舞いを見せた。

 ザギトワのお眼鏡にかなったことについて濱田さんは「私が飼いたいと思ったくらい(笑い)。選んでもらえたことは夢のまた夢」と感激の面持ち。性格については「おちゃめで好奇心が強く、活発な犬。ロシアでかわいがってもらい、日露の懸け橋となってくれれば」と願った。

 今後は東京に運ばれた後、今月末にもモスクワで贈呈式を行う予定。ザギトワ側は、スケートリンクで開くことを希望しているという。同日に生まれた雄のきょうだい犬は、「MASARU」の「勝」と大館市の「大」を合わせて「勝大(しょうだい)」と名付けられた。同市のマスコット犬として飼われる予定になっている。

 ◆秋田犬 秋田県の大館、鹿角(かづの)を原産とする大型犬の犬種。三角形の耳や巻いた尾などが特徴で、体高・体重はオスで64~71センチ・39~59キロ程度、メスで58~66センチ、27~50キロ程度。毛色は白、黒、赤、胡麻、虎、斑(ぶち)の6色。もともとは同地方の狩猟犬として飼われていた。1931年、日本原産犬種として初めて天然記念物に指定。翌年、朝日新聞で「忠犬ハチ公」の物語が紹介され、34年にJR渋谷駅前に銅像が設置されたことで全国的に有名に。2012年7月、東日本大震災の支援への返礼としてロシアのプーチン大統領に秋田県から子犬が贈られた。

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