日本代表いよいよ初戦!神頼みの名所へ急げ…埼玉・川越熊野神社に八咫烏レリーフ

スポーツ報知
「八咫烏レリーフ」を前に、日本代表にエールを送る岡本行雄宮司

 日本サッカー協会(JFA)のシンボルマークでもある「八咫烏(やたがらす)」のレリーフがある埼玉県川越市の川越熊野神社が、W杯初戦を19日に控える日本代表の隠れた祈願名所となっている。同社はJFA公認「勝ち守り」も販売する「サッカーゆかりの神社」。岡本行雄宮司(59)は17日、スポーツ報知の取材に、崩壊寸前から立ち直りつつある日本代表の現状を思い起こさせるレリーフの設立由来を披露。不屈の復活劇は、サポーターからの関心を呼びそうだ。

 直径80センチ、円形の御影石製に彫られた2対の「八咫烏レリーフ」が、サポーターの祈りを代表に届ける。同神社は、JFA公認「勝ち守り」を販売する協会お墨付き神社。絵馬には「足技がうまくなりますように」などサッカー関連ものが数多く書かれ、高校のサッカーチームも必勝祈願に訪れる。岡本行雄宮司は「八咫烏目当てに、多数のサポーターの方から訪問も受けていると聞いてます。願いはロシアまで伝わっているはず」と期待を込める。

 「八咫烏」は、神の使いとして信仰される3本足の伝説の鳥。神武天皇が和歌山・熊野地方の山中で道に迷ったとき、大和まで先導したという故事があり、熊野大社系神社のシンボルとなっている。協会エンブレムのモチーフになったことから、10日には熊野本宮大社(和歌山県田辺市)近くのW杯勝利祈念碑の除幕式も開催。川越熊野大社のレリーフの主な御利益は「開運」と「縁結び」で、岡本宮司も「日本は運も味方につけて、勝利を結んでほしい」と期待を寄せる。

 「八咫烏レリーフ」には秘話もある。神社の境内にあった樹齢数百年のけやきの御神木が、台風の影響で2011年に倒壊。熊野大社本宮近くの神聖な林から椰(なぎ)の幼木を新しい神木として植え替えたが、気候の違いから枯れ出す危機的状況となった。岡本宮司が冬期は夜通しストーブをたくなど徹底的に看病したことで翌年には立派に回復。御神木を見守るため、長年の構想の末に建立したのが、このレリーフだった。

 「外部からの風土が合わなかったための危機的状況」はハリル・ジャパン、「突貫的な立て直し」は現在の西野ジャパンと酷似している。御神木の生命力は、日本代表の現状とも重なる。レリーフがW杯イヤーの今年3月に完成したことも、何かの因縁だ。

 「御神木もあの大変な状況から、今ではここまで立派に大きくなった。日本代表も人ごととは思えないんです」と岡本宮司。サムライブルーが決勝トーナメント進出するくらい大きく成長すれば、レリーフの御利益もさらに輝きを増しそうだ。(樋口 智城)

 ◆サッカー日本代表のエンブレム 1931年、故事にならい「ゴールに導く神の使い」として日の丸を表す赤いボールを足で持つ八咫烏を日本サッカー協会のシンボルマークに起用。87年からエンブレムでも使われるようになる。現在のモデルは、昨年11月から使用される5代目。

 〇…サッカーゆかりの神社は各地に多数存在する。横浜市港北区の師岡熊野神社は、川越と並んでJFA公認「勝ち守り」を購入できる神社。「02年の日韓大会くらいから販売してますが、W杯が始まってからお守りに関する問い合わせも増えました。買われる方も、普段の4~5倍くらいはいますね」と同神社関係者は話す。日本代表の初戦となる19日のコロンビア戦は目前。応援すべく、勝利の願掛けに行ってみては…?

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