大阪市長異例の呼びかけ「戎橋の上で飛び跳ねないで」W杯日本代表快進撃も…

スポーツ報知
セネガル戦が行われた25日、戎橋に詰めかけ盛り上がるサポーター

 サッカーW杯ロシア大会の日本対ポーランド(28日)を前に、大阪市の吉村洋文市長(43)は26日、自身のツイッターで「戎橋の上で飛び跳ねないで下さい。『極めて危険』です」などと呼び掛けた。大阪市の道頓堀川に架かる戎橋では、W杯日本代表の試合後にサポーター数百人が一斉に跳びはねたり、川にダイブしていた。市の担当者は「騒ぎがエスカレートした場合、通行止めにする可能性もある」と話している。

 サッカー日本代表の快進撃で熱狂するサポーターに、吉村市長が異例の呼び掛けをした。

 市長はこの日、自身のツイッターで「絶対に戎橋の上で飛び跳ねないで下さい。500人が飛び跳ねることを前提とした設計をしていません」などとつづった。セネガルと引き分けた25日未明、大阪・道頓堀の戎橋の上にはサポーターら約500人が集結。「ニッポン、ニッポン」などと叫びながら、一斉に跳びはねた。橋は上下に揺れ続け、悲鳴も上がった。

 市の担当者は「跳びはねることで、橋が揺れてしまい、歩行者や自転車に乗った人が転倒する可能性がある。将棋倒しになる恐れもある」などと危険性を指摘。「橋にかかる重さは計算されており、通常の使用であれば問題ないが、一斉に跳びはねた場合にどうなるかまでは分からない。ただ、落橋までは考えにくいのではないか」とした。定期的な点検をしているが、負荷がかかることで橋が損傷する可能性もあるという。

 市によると、橋の長さは約26メートル、幅は11~18メートルで、橋の一番高い部分から水面までは約4・8メートル。28日には決勝トーナメントを懸けた試合がある。市は府警と協力しながら、注意を続けるとしており、騒ぎが過熱した場合は周辺を封鎖する可能性もあるとした。

 また、プロ野球・阪神が優勝した際などに行われた道頓堀川へのダイブも続いている。深さは約3・8メートルで、過去には死亡したケースもあるため、市は併せて注意を呼び掛ける。道頓堀川の水質を定期的に調べている日本分析化学専門学校(大阪市)によると、大腸菌も確認されており「便器並みの汚さ」という。担当者は「過去、飛び込んだ人が翌日、おなかを壊したという話もあります。泳げるレベルの水質ではありません」と話した。

 ◆過去の主な“道頓堀ダイブ”

 ▼1985年10月16日 阪神が21年ぶりにセ・リーグ優勝。歓喜したファンが「ケンタッキー・フライド・チキン」のキャラクター人形カーネル・サンダースを投げ捨てる。人形は2009年に発見

 ▼01年9月26日 近鉄がパ・リーグ初となる前年最下位からのリーグ優勝。約30人が「梨田(昌孝監督)」などのコールでダイブ

 ▼02年6月14日 サッカーW杯日韓大会のチュニジア戦(長居)で決勝トーナメント進出が決定し、1000人以上が飛び込む

 ▼03年9月17日 18年ぶりの阪神のセ・リーグ優勝決定から2日後、欄干に上がって盛り上がっていた男性会社員が背中を押され転落し、死亡

 ▼15年1月1日 カウントダウンで盛り上がる男女が戎橋から飛び込む様子を見た韓国人男子高校生が西隣の道頓堀橋からダイブも、溺れて死亡

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