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1983年発売、オートボーイって覚えてますか?

2017年8月19日11時0分  スポーツ報知
  • キヤノン・オートボーイ2
  • 夏空をキレイに写した
  • 東京タワーの展望台から下界を臨む
  • CDからパソコンで簡単にSNSにもアップ
  • 東京タワー
  • フィルムカメラで撮影、東京タワーから見えた東京都内

 1983年に発売、38ミリ単焦点のコンパクトカメラキヤノン・オートボーイ2が引き出しの奥から出てきた。

 カビなどはなく状態はよい。単三電池を2本入れるとシャッターは切れ、ストロボも発光した。

 背面の日付けを焼き込む液晶は壊れていたが、36枚撮りのISO400フィルムを入れシャッター切ると「ウィーン」とフィルムを巻き上げはじめた。

 当時の価格は4万円ちょっと、スポーツ報知でも記者用カメラとして配備されていて、当時は会社に10台ほどあった。記者はコレを持って記者会見などに駆け付け撮影、スキャンダルのタレントを待ちかまえたカメラでもあった。

 プロのカメラマンもポケットに忍ばせていた。カメラが壊れたり、フィルムを交換するヒマがなかった時など、ポケットから取り出し撮影、紙面を飾った。

 フィルム時代、こんなヒヤヒヤエピソードも少なくなかった。プロ野球取材、打席には巨人の松井秀喜(43)=現ヤンキースGM付特別アドバイザー=が立っていた。センターから打者を撮影していた私は粘る松井に20枚以上シャッターを切ってしまった。打席途中でカメラを付け替えたりフィルムを交換すればホームランを撮り逃してしまう可能性がある。残り十数コマ、無情にも松井は本塁打を放った。残り枚数を頭で数えながら本塁打のインパクトから一歩出た所、一塁をまわっての笑顔、打たれた投手とのすれ違い、本塁生還、長嶋監督のベンチ出迎えを2コマ、最後に迎える味方投手となんとか押さえきった。冷や汗タラタラだった。会社に帰ってから当然デスクからお目玉を頂戴した。

 大手のカメラ量販店では今でも1時間程度で現像、写真プリントができるところがある。昔と違うところはCDにデータとして焼き付けてくれる。フィルムで撮影した写真をパソコンで見ることができ、SNSなどに投稿するのも簡単にできた。今回の写真もCDから掲載したものだ。

 オートボーイ2を手に街に出てみた。発売当時はなかった東京スカイツリーの辺りを散策、シャッターを切った。金色のビルはもう建っていたかもしれないが、スカイツリーを眺める観光客を入れてパチリ。晴天を鮮やかに写した。

 今度は東京タワーに昇ってみた。展望台から下界を撮影、すぐに画像を確認できないので撮れているか若干心配でイライラする。同じところでシャッターは切りたくない。昔の感覚がよみがえる気がした。

 デジタルカメラ全盛の時代だが、引き出しや押し入れの奥で眠っているフィルムカメラに息を吹き込んでみる、36枚のストーリーを制作するのも一興だ。(記者コラム・越川 亘)

 

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