モンゴル人ではない“蒙古の怪人”の真実…キラー・カーンが初の自伝出版

2017年4月19日8時0分  スポーツ報知
  • 「居酒屋カンちゃん」で自伝をPRするキラー・カーン

 「モンゴル帝国の末裔として全米を震撼させた」昭和のレジェンドレスラー、キラー・カーンさん(本名・小沢正志、70)が19日、初の自伝となる「“蒙古の怪人”キラー・カーン自伝」(辰巳出版、1380円+税)を出版した。

 1980年代、ニューヨークMSG(マジソン・スクエア・ガーデン)を舞台に、アンドレ・ザ・ジャイアントやハルク・ホーガンと抗争した戦うモンゴリアン。87年末に引退してから30年、「居酒屋カンちゃん」の店主として、プロレス界と一線を画してきた男が、70歳となり、ついに人生を振り返った。

 日本人として新潟に生まれ、大相撲・春日野部屋の幕下・越錦から、日本プロレスに入門。77年末のメキシコ遠征時に「テムジン・エル・モンゴル」を名乗ってから、キラー・カーンとしてブレークするまでの“モンゴル人”としての10年間を初めてまとめている。

 「モンゴル人としてやってくれ」と発案したのは、プロレスの神様、カール・ゴッチだったという。アンドレの足折り事件の真相や、米国人妻との結婚秘話。「『長州を殺す』と決意した」という物騒な章も…。

 居酒屋の店主として、当時の裏話をお客さんに披露してきたが、本人の記憶と幻想がないまぜになって“プロレス的”になっていたストーリーを、元「週刊ゴング」記者で同社が出版するプロレス専門誌「Gスピリッツ」の佐々木賢之編集長(45)が“歴史検証”しており、“モンゴル人ではないモンゴリアン”の真実が書かれている。

 この出版をあおるように「Gスピリッツ vol.43」(1148円+税)では、「キラー・カーン以前の蒙古人たち」というかなりマニアックな特集が組まれ、日本でも有名なモンゴリアン・ストンパーらモンゴル人を名乗った異国人から、本物のモンゴル人ながらドイツで日本人役だったというイスカ・カーン・ティキというレスラーまで紹介されている。東京・新宿区の「居酒屋カンちゃん」(百人町1-6-14)では30日に出版記念トークショーも。店での字にならない話も魅力的だ。(酒井 隆之)

 ◆キラー・カーン 本名・小沢正志。現在はキラー・カンを名乗っている。1947年3月6日、新潟県西蒲原郡吉田町(現・燕市)生まれ。70歳。1963年に大相撲春日の部屋に入門、四股名・越錦として最高位幕下。71年に日本プロレスでデビュー。73年に新日本プロレスに移籍し、77年にメキシコでテムジン・エル・モンゴル、79年に米国でキラー・カーンとして“モンゴル人キャラ”に。新日本プロレス、ジャパンプロレス、全日本プロレスに凱旋した。米国でNWA・USタッグ(パートナーはパク・ソン)などを獲得。82年には日本開催のMSGリーグ戦、MSGタッグリーグ戦(パートナーはタイガー戸口)でともに準優勝。87年末にWWF(現WWE)で引退。帰国し「居酒屋カンちゃん」店主を30年務める。全盛期は195センチ、140キロ。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
BOOKセレクト
今日のスポーツ報知(東京版)