石坂浩二が初自伝でつづった、趣味の飛行機こぼれ話

2017年9月16日12時0分  スポーツ報知
  • 好きな飛行機や芝居の話を熱っぽく語る石坂浩二
  • 石坂浩二「翔ぶ夢、生きる力」

 テレビ朝日系昼の連ドラ「やすらぎの郷(さと)」に主演している俳優・石坂浩二(76)の初の自伝「翔ぶ夢、生きる力」(廣済堂出版、1620円)が話題となっている。前半は役者として歩んできた足跡を始め、現在ドラマで共演している元妻の浅丘ルリ子や八千草薫、先日亡くなった野際陽子さんの話が盛り込まれ、後半では趣味の飛行機への熱い思いをつづっている。シルバー世代を代表する名優の演じることの喜びと趣味を両立させる姿を満喫できるが、インタビューでは「やすらぎの郷」の第2弾の行方や本には書ききれなかった航空機の話を聞いた。(国分 敦)

 倉本聰さん脚本の「やすらぎの郷」がテレビ界に与えた衝撃は大きい。昼帯にシルバー世代を対象にしたドラマは初めてで、初回視聴率8・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好発進。その後も高い数字をキープしている。今月29日で130話が放送終了を迎えるが、続編はあるのか。

 「これは私にも分からない。一にも二にも倉本先生が書くのか書かないのかですが、誰も先生に『書け』と言える人はいないでしょう。(今回の成功は)先生もそうですが、テレ朝の早河洋会長の大英断、男を上げたと思います。お二人がどう考えるかで、ちょこっと出演した私は何も言えません(笑い)。先生はご自身もドラマ出演しましたから力は入っていたはず。実は“やすらぎ体操”のひと振りをやる構想があったのですが『私はやらん。台詞(せりふ)は言わん』と実現はしませんでした。第2弾を見たいなら、皆さんで(局に)投書してください」

 役者をやめたらプラモデルを作って余生を送りたい―。燃え尽きない役者魂とともに航空機への思いも深い。数々の旅客機に乗っているが、コンコルドやジャンボは思い出に残っているようだ。

 「コンコルドね…。マッハ2なので下になんかあったら衝撃波で危ないですから海の上しか飛べない。あれだけ燃費が悪くて頑張れたのがすごいし、当分あんな飛行機は現れないでしょう。機内には昔、新幹線の食堂車についていたようなスピード計がついていて、離陸したらあっという間にマッハ2に。窓から横を見ると夜だけど下を見ると真っ青…。昼なんですね。宇宙にまで距離が近い感じで、これはコンコルドでしか体験できないことでした」

 ―ジャンボの機内では意外な出会いがあったとか。

 「ジャンボはパリでの仕事が入った時、頑張って差額分を自分で出してファーストに乗りました。その時に安倍(首相)さんのお父さん(安倍晋太郎氏)にお会いしました。外務大臣の時で『大変だね』と声をかけられました。『仕事なんですよ』『そうなんだ。僕はヨーロッパに叱られに行くんですよ。向こうは強気の(政治家)ばっかりだからね。僕は上に予約とっているけど…』と。昔のジャンボのJAL便は2階にファースト用のベッドが4人分あり、安倍さんは浴衣に着替えていました。2階席は予約制でいくらか余分に払うんですね」

 子供の頃にB29を初めて見て以来、航空機を追い続けてきた。名機・零戦を生んだ日本の航空産業には思いも深い。

 「ホンダのビジネスジェットに乗りましたが、小さいけどよくできている。機体の両側が炭素繊維の樹脂を型で抜いていて、まるでプラモデルみたいにペタってついている。米国では一度の飛行で2人乗るのが一番多い。だから6人や11人乗りの飛行機は無駄だってなって、3人乗りのホンダを2機目として買う人が多くなっています。(国産旅客機)MRJは(納入)延期が続いているけど成功させないとダメです。ホンダに比べて三菱は工業力が落ちたんですかね。零戦をつくった会社なので頑張ってほしいです」

 ―最後にどんな方に読んでほしい。

 「航空機好きな人に読んでいただきたい。外国ではパーティーグッズとして飛行機本はよく出版されています。あちらはどこか飲み屋に行こうという世界じゃなくて、家に呼んで和気あいあいでやる。会話のネタとして用いられることが多い。日本でも写真集は多くなりましたが、猫ちゃんばっかり(笑い)。飛行機の本もいいですよ」

 ◆石坂 浩二(いしざか・こうじ)本名・武藤兵吉。1941年6月20日、東京都生まれ。76歳。慶応大学法学部卒。大学在学中の62年に「七人の刑事」でデビューし、次作の「潮騒」から“石坂浩二”の芸名に。卒業後に劇団四季に入所。退団後にNHK大河ドラマ「天と地と」で初主演。その後「元禄太平記」「草燃える」と計3度主演を務めている。72年に出演したTBS系「ありがとう」が民放ドラマ最高視聴率の56.3%を記録。二科展で74~85年に連続入選。71年には女優の浅丘ルリ子と結婚も2000年に離婚。血液型O。

 ■来春から講師「役者のノウハウ教えていきたい」

 石坂は芸名の名付け親、石井ふく子さんが特別顧問に就任した「山野アーティストアカデミー」(来春開校)の講師を務め、芸能界で培った知識を後輩へ伝えることになった。

 「女優を育てる学校ではないので、普通の高校のカリキュラムもやらないといけない。演技を教えるというよりも演劇の歴史、芝居や役者の仕事はどういったものかという教養を教えることになるでしょう。石井さんは『今の役者さんたちは行儀と作法を習っていない。日本の伝統的なモノだし、忘れちゃいけないし一番の基本を教えていきたい』とおっしゃっていました」

 ―昔は先輩が後輩に教える伝統もあったが。

 「今は下(の役者)が教わりたいという気持ちが減っているし『時間がない』『お金がない』といえば何でも通ってしまう風潮がありますね。模範となるのが宝塚音楽学校じゃないですか。まずは礼儀作法から入って、バレエや日本舞踊とか習う感じかと。卒業したらお嫁にいく人もいるだろうし、中には女優になりたい方もいるかもしれない。そんな生徒には少々厳しくテクニック的なことを教えることになる。日本はすぐに気持ちがとか精神論になっちゃうが、米国のようにノウハウを教えていきたい。水谷(八重子)さんも教えてくださるし、どんな方が出てくるのか楽しみはあります」

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