【メディカルNOW】「入浴」年間5000人が溺死…半数は真冬に

2016年1月25日15時0分  スポーツ報知

 1日で一番リラックスできる入浴だが、命を落とす危険が潜んでいるのだ。消費者庁が人口動態統計を分析したところ、家庭の浴槽での溺死者は一昨年1年間で4886人にのぼった。うち65歳以上が約9割を占め、半数が12月から2月の真冬に発生していたという。また、厚生労働省の研究班が、救急車で運ばれた患者数から推計すると、溺死以外も含めた入浴中の事故死は年間1万9000人で、この数は交通事故死者数の4倍にのぼる。

 入浴が危険なのは、▼寒い脱衣場で服を脱ぐと血管が収縮して血圧が急上昇し、脳いっ血や心筋梗塞を起こす恐れがある▼湯船につかると体が温まり、血管が拡張して血圧が下がり、意識が薄れて溺死する恐れがある▼食事や飲酒後すぐに入浴すると浴槽で寝込んで溺死する恐れがある▼浴槽から急に立ち上がると血圧が下がって失神し、転倒して頭を強打したり骨折する恐れがある▼入浴後に寒い脱衣場に出ると血圧が急上昇して脳いっ血や心筋梗塞を起こす恐れがある―入浴は危険がいっぱいなのだ。

 では、どうしたら安全な入浴ができるのか。▽入浴前に脱衣場を暖める…暖房器具を使って十分に暖かくしておくといい▽湯温は41度以下で湯量は少なめに…熱い湯は体への負担が大きいので、湯はぬるめに。また湯船で寝込んでも溺死しないように湯量を少なめにしておく▽食事や飲酒後すぐの入浴を避ける…浴槽で眠ってしまう恐れがあるので時間をおいてから入浴する▽浴槽から急に立ち上がらない…脳貧血を起こす恐れがあるので、浴槽の縁や手すりを握ってゆっくり立ち上がる▽同居者に声をかけてから入浴する…もし入浴中に事故が起こっても早期発見されれば助かる。入浴する前に同居家族に「ときどき声をかけてくれ。返事がなかったら風呂場をのぞいてほしい」と頼んでおく。

 独り暮らしの場合は万が一のときに誰も助けてくれないので、人目がある公衆浴場を利用するのがいいかもしれない。(医療ジャーナリスト・田中 皓)

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