【メディカルNOW】「医療費41・5兆円」効率化で伸び抑制の余地あり

2016年9月19日15時0分  スポーツ報知

 厚生労働省が先週発表した2015年度の医療費(医療機関に支払われた金額)は41兆4627億円で、前年度に比べて3・8%増加した。莫大な金額なのでピンとこないが、1人当たりにすると32・7万円だ。

 都道府県別の医療費も発表されたので、1人当たりの医療費を計算してみると大きな差があった。多い順では、〈1〉高知県43・6万円、〈2〉北海道38・9万円、〈3〉長崎県39・4万円、〈4〉徳島県39・1万円、〈5〉大分県38・7万円だった。高齢化が進んでいる地域は1人当たりの医療費は大きい。全国平均で75歳未満は22万円だが、75歳以上は94・8万円と4倍以上の差がある。逆に少ない順では、〈1〉埼玉県25・8万円、〈2〉千葉県27・6万円、〈3〉神奈川県27・9万円、〈4〉滋賀県28・4万円、〈5〉茨城県28・5万円となった。大都市やその近郊は比較的若い世代が多いようだ。

 医療費の地域差はあるものの、日本の医療の質は世界でもトップクラスだ。医療機関へのアクセスは簡便で、専門医に受診するのも難しくはなく、病床数も以前より減ったとはいえ長期間入院待ちすることがない。OECD(経済協力開発機構)も日本の医療の質を高く評価しているが、医療費が毎年増加して、GDPの10%前後に達したことを懸念している。特に医薬品支出が09年以降、毎年平均5%も増加していることを指摘し、ジェネリック医薬品の比率を高めて医薬品支出を効率化することを提案している。ちなみに医薬品(調剤)は医療費の19%、7兆9000億円にのぼる。

 ジェネリック医薬品は特許が切れて(特許出願後20年)他の製薬会社が同じ有効成分でつくる医薬品だ。価格が先発医薬品の数分の1と安いため厚生労働省も普及に力を入れている。健康保険組合連合会が加入者1200万人余りの調剤レセプトを調べたところ、ジェネリック医薬品の使用割合は数量ベースで44%、金額ベースで26%だった(13年度)。高齢化が進めば医療費が増加するのは仕方がないが、まだまだ効率化する余地がある。

(医療ジャーナリスト・田中皓)

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