【メディカルNOW】「抗菌ソープ」耐性菌発生にホルモン異常…米国で販売中止も

2016年10月3日6時0分  スポーツ報知

 「抗菌」を売りにした石鹸(せっけん)やハンドソープは多い。殺菌剤を配合して細菌を死滅させようというわけだ。しかし、米食品医薬品局(FDA)は9月2日、抗菌作用があるとして販売されている石鹸やハンドソープなどのうち、トリクロサンやトリクロカルバンなど19種類の殺菌剤が含まれる製品の販売を1年以内に中止するか、それらの殺菌剤が含まれない製品に切り替えて販売することを求めた。

 これまでにFDAは石鹸メーカーなどに安全性と有効性を示すデータの提出を求めていたが、提出されたデータは通常の石鹸に比べて感染症の予防効果が大きいことを証明できなかった。しかも、これらの殺菌剤を含む石鹸を長期間使うと、抗菌薬が効かない菌(耐性菌)が発生したり、体内の甲状腺ホルモンや生殖ホルモンに悪影響を及ぼす可能性があるとしている。韓国で加湿器殺菌剤を使用して、多数の呼吸器疾患や死者を出した事例を連想させる。

 FDAが規制する19種類の殺菌剤のうち、幅広く使われているのがトリクロサンとトリクロカルバンだ。国内でもこれらを含有する石鹸、ハンドソープ、マウスウォッシュ、ボディークリームなどが販売されている。パッケージに小さな文字で「全成分」が記載されているから確かめてみるといい。

 厚生労働省は今のところトリクロサンやトリクロカルバンを規制していない。だが、トリクロカルバンを含有する「ミューズ固形石鹸」を製造販売している英国系のレキットベンキーザー・ジャパン社は、FDAの規制を受けてトリクロカルバンを含まない製品に切り替えることを発表した。ちなみに同社はトリクロサンを何年も前から使用していないという。他社も同様の取り組みをすることが期待されている。

 なおFDAは、殺菌剤入りの石鹸ではなく、通常の石鹸と流水で手を洗うだけで感染症予防に十分だとしている。石鹸と流水がない場合は、アルコールの含有量が60%以上のハンドジェルがお勧めだ。(医療ジャーナリスト・田中 皓)

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