【メディカルNOW】「ノロウイルス」インフル上回る猛威

2016年12月19日15時0分  スポーツ報知

 ノロウイルスが猛威を振るっている。11月28日~12月4日の1週間で全国に約5000ある定点医療機関の1か所あたりのインフルエンザ患者は2・49人だったが、ノロウイルスが大半を占める感染性胃腸炎患者はその約7倍の17・37人だ。

 ノロウイルスに感染すると1~2日の潜伏期間を経て突発的な激しい吐き気や嘔吐(おうと)、下痢、腹痛、悪寒、発熱(38度前後)などを発症する。これらの症状は通常1、2日でケロッと治り、後遺症が残ることもない。しかし、免疫力が低下した乳幼児や高齢者は長引いたり、嘔吐物による窒息や誤嚥(ごえん)性肺炎で亡くなることがある。

 たとえば、▼今月、福井県内の3つの社会福祉施設の入所者ら69人がノロウイルスに感染。このうち50代男性が点滴などの治療を施されたが、意識不明になり搬送先の病院で死亡▼今年3月、都立小児総合医療センターに入院していた生後2か月から10歳の男女10人がノロウイルスに院内感染。2歳の男児は下痢などの症状を発症した翌日に心肺機能が低下したため集中治療室で治療したが死亡した。

 ノロウイルスは例年10月から増え始め、12~1月に流行のピークを迎える。感染経路は、▼飲食物から感染(食中毒)▼感染者の嘔吐物や糞(ふん)便から便器や手指を介して感染▼感染者の嘔吐物が乾燥してウイルスが飛散、それを吸い込む空気感染▼感染者が調理した食品を食べて感染するなどさまざま。

 そうした感染経路を考えると、石けんを使って十分に手洗いすることが感染予防になる。ウイルスが数十個ほど体内に入っただけで感染するので、特に調理者は念入りに。

 感染者の嘔吐物や糞便から二次感染を防ぐには、便器の清掃は手袋・マスクをして行い、作業後は手をよく洗う。汚染物は飛散しないようにビニール袋に密封して処分する。汚染された場所(床、手すり、ドアノブなど)は次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)で消毒すると効果的だ。(医療ジャーナリスト・田中 皓)

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