【メディカルNOW】「餅にご用心」冷めると硬く高齢者は窒息の危険

2016年12月26日15時0分  スポーツ報知

 あと6つ寝るとお正月。お正月には雑煮、安倍川餅、磯辺焼きなど餅を食べる機会が多いが、餅をのどに詰まらせる窒息事故にご用心。

 消費者庁が東京消防局、政令市消防局などの窒息事故の報告(2008~10年の3年間)のうち原因食品が明らかな2414件を分析すると、餅が406件と最多で、19人が死亡している。ちなみに2位がご飯(260件、14人死亡)、3位が飴(あめ)(256件、死亡0)、4位がパン(238件、死亡12人)だった。

 焼きたての餅は軟らかいが、表面温度が40度以下になると硬くなり、粘着力が増して、のどや食道に張り付きやすくなる。食物をかんだり、飲み込む力が低下する60代以上の高齢者には危険なのだ。

 餅による窒息事故を防ぐには、▼一口で食べられる大きさ(2センチ角程度)に切る▼うるち米で作った餅(韓国料理のトックなど)、もち小麦で作った餅など粘着力が弱い餅で代用する▼口の中の唾液が少ないと食物を詰まらせやすいので、お茶や吸い物などを飲みながら食べる。

 もし餅を詰まらせてしまったときは、近くにいる人が応急手当てをする必要がある。人は数分間、息ができなければ窒息死するし、たとえ命をとりとめても低酸素脳症の後遺症(注意力散漫、判断力低下、運動機能低下など)が残る。応急手当ては、▼意識があれば、セキをするよう促す▼それでも餅を吐き出せなければ、片側を下にして寝かせても上体を起こしてもいいので、手のひらの付け根部分で思い切り背中の真ん中(肩甲骨の間)をたたく▼意識がなくなって倒れた場合は、相手の後ろに回り、こぶしを握った片手を相手の胸の真ん中あたりに当て、もう片手をこぶしの上に添えて、相手の胸を5センチほど沈み込ませるくらいの力で押す。様子がただ事でないようなら、こうした応急手当てをしながら「119番」に通報して救急車を呼ぶ。

 めでたいお正月を暗転させないためにも、餅を食べるときは用心を。(医療ジャーナリスト・田中 皓)

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