【道6大学】苫小牧駒大8季ぶり2度目V…伊藤が無四球18K完封

スポーツ報知
仲間に胴上げされる苫小牧駒大・伊藤

◆道6大学野球春季リーグ最終節最終日 苫小牧駒大2―0旭川大(27日、とましん)

 神宮だ! 苫小牧駒大が旭川大を2―0で下し、2014年春以来、8季ぶり2度目の優勝を決めた。先発右腕の伊藤大海(ひろみ、2年)=駒大苫小牧出=が9回6安打無四球無失点。三振も18個奪う連日の“伊藤劇場”で全日本大学野球選手権(6月11日開幕・神宮ほか)切符もつかんだ。絶対的エースの加入で意識から生まれ変わった野手陣も攻守で援護。同校2度目の全国舞台で初の頂点を目指す。

 仲間の輪に飛び込み、高々と3度、宙を舞った。苫小牧駒大・伊藤にとって人生初の胴上げ。「青い空が気持ち良かった。誰でもできることじゃない」。歓喜の瞬間を、全身でかみ締めた。

 6回1安打に封じた26日に続き、今季初めて2戦連続で先発。「0に抑えれば、負けることはない」と、最速150キロの直球を軸に18Kを奪い、26回連続無失点で締めた。大滝敏之監督(64)は「粘り強く投げてくれた。(全日本の)頂点も狙える」と褒めちぎった。

 伊藤の加入で、チームは目覚ましく変貌した。東都1部の駒大を退学した剛腕が、昨年4月に入学。規定で1年間は公式戦に出られなかったが、“裏方”として支えた。自ら打撃投手を志願。「7、8割でも速いしスライダーは消える。引きつけて打てるようになった」と若松大地主将(4年)=駒大苫小牧出=。1登板で打者20人を回し、トップレベルを体感してきた。打者に投げ続けたことで、伊藤も「(変化球の)落としどころをつかんだ。それが三振数につながった」。相乗効果で、チームは成熟した。

 2014年秋から7季連続で3位以下に低迷していた。決勝打の二口虎大(こだい)三塁手(3年)=駒大苫小牧出=は「大海が来て『全国を狙える意識』が生まれた」という。夜10時までバットを振り込む居残り組が激増し、リーグトップ61得点の攻撃力が備わった。

 さあ、4年ぶりの大舞台だ。初出場の前回は初戦敗退だったが、伊藤は「一番レベルが高い大会。しっかり、自分の投球をしたい」と頼もしい。今季は勢いも手応えも違う。剛腕エースを中心に、“道6王者”の威厳を示す。(宮崎 亮太)

 伊藤大海(いとう・ひろみ)アラカルト
 ★生まれとサイズ 1997年8月31日、鹿部町生まれ。20歳。175センチ、80キロ。右投左打。50メートル走5秒8。
 ★球歴 鹿部小2年の時に「鹿部クラップーズ」で野球を始める。駒大苫小牧では1年秋に背番号15でベンチ入りし、14年センバツ出場(2回戦敗退)。エースだった3年夏は南北海道大会準々決勝で敗れた。駒大では2部リーグで7試合に登板。今春は6勝し、防御率は0・35。奪三振率は16・79。
 ★実は二刀流 大滝監督によると、外野も守れて打撃も良く「秋は二刀流の可能性もある」。
 ★指導能力もピカイチ 決勝打の二口は「バットが下から出る癖、力んだ構え、間の取り方を教えてくれたのは大海」。
 ★趣味 ロックフィッシュのアイナメ釣り。
 ★好物 みそラーメンと牛タン。

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