【首都大学】日体大・松本航「30勝&300K」へあと1勝

スポーツ報知
各球団スカウトの前でリーグ戦通算29勝目を挙げた日体大・松本航

◆首都大学野球 日体大4ー1筑波大(13日・浦安市運動公園)

 日体大の今秋ドラフト1位候補右腕・松本航(4年=明石商)が、6回1失点の好投で24季ぶりVを狙う筑波大に土をつけ、リーグ戦通算29勝目をマーク。11年の東海大・菅野智之(現巨人)以来となる通算30勝&300奪三振に王手をかけた。2位・東海大は武蔵大に快勝。筑波大は日体大から勝ち点を挙げれば勝ち点5の完全優勝となるが、14日に東海大が勝ち、筑波大が敗れれば、東海大の2季連続優勝が決まる。

 いとも簡単にアウトを奪った。松本航はカットボールとツーシームを投げ分け、凡打の山を築いた。6回1死まで安打を許さずに6回を2安打1失点。「コースと配球で勝負しようと意識した。今シーズンで一番よかったと思います」。リズムに乗った投球で首位を走る筑波大に待ったをかけた。

 大事な試合で変身を遂げた。今季は序盤に自己最速を1キロ更新する155キロをマーク。一方で、勝負どころでの失投も目立ち、ここまで2敗を喫していた。この日は負ければ3位以下が確定し、明治神宮大会出場をかけた関東地区大学選手権の出場権も逃すことになる崖っ縁。「力んでもしょうがない。配球も考え方も投球フォームもガラッと変えました」。最速155キロの直球は146キロにとどめ、丁寧に低めを突き続けた。

 この日は6球団10人のスカウトが視察。西武・渡辺SDは「先発タイプの投手は常に調子がいいとは限らない。悪いなりにも試合をつくるのが勝てる投手の条件。松本君はそれを持っている」と完成度の高さを評価した。

 すでにリーグ通算300Kをマークし、30勝の大台にも王手。14日はブルペン待機し、リードした展開になればリリーフ登板する予定だ。「集大成という気持ちで明日も投げたいです」。主将としてもチームを引っ張る大黒柱が、菅野以来となる偉業で大学生活を締めくくる。(片岡 泰彦)

 ◆松本 航(まつもと・わたる)1996年11月28日、兵庫・朝来市生まれ。21歳。小2から野球を始める。明石商では県3位が最高成績で甲子園出場なし。大学では2年春に最高殊勲選手と最優秀投手、3年秋に最優秀投手。3、4年時に大学日本代表入りし、7月の日米大学野球では大会新記録の1試合16奪三振をマークして最優秀投手賞を獲得。ハーレム国際野球大会でも大会最優秀投手に。リーグ戦通算59登板で29勝18敗、防御率1・64。176センチ、84キロ。右投右打。

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