星槎道都大・福田俊、10球団から調査書も「指名想像できない」

スポーツ報知
冷静な表情で運命の日を待つ星槎道都大・福田

 プロ野球ドラフト会議はきょう25日、東京都内で開かれる。星槎道都大の最速148キロ左腕・福田俊(すぐる、4年)=神奈川・横浜創学館=のもとには地元の日本ハムを含め10球団から調査書が届いた。昨秋の明治神宮大会準優勝に貢献した即戦力候補は、静かに運命の瞬間を待つ。

 運命の日を目前に控えても、福田の表情は淡々としていた。「普段と変わらない。毎年ドラフトはテレビで見てきたが、自分の名前が出るところが想像できないですね。遠い世界でしたから」。ピンチにも動じず、クールな表情を崩さなかった神宮のマウンドと同じ。ただ、テレビの向こう側だった世界は、現実味を帯びてきた。

 昨秋の明治神宮大会初戦の創価大戦で4安打11奪三振完封。決勝までの登板3試合で防御率0・98の快投を見せ、その名は全国区となった。最速148キロの直球が注目されるが、最大の武器は変化球だ。鋭く曲がるスライダーに、打者の手元で落ちるチェンジアップ。スカウト陣も「左で、かつ落ちる球で空振りが取れる」と口々に高評価。

 「プロ注目」と言われた今春は苦しんだ。昨年11月に遊離していた左足小指付け根外側の骨を除去手術。約2か月間は投げることができず、投球フォームを崩した。それでも、昨秋の明治神宮大会のビデオを何度も見直して修正。今秋に本来のフォームを取り戻し、日本ハムの白井康勝スカウト(49)は「明らかに春よりキレは戻っている」と話した。

 生まれは札幌で、両親の転勤で小学4年に神奈川・小田原へ引っ越した。横浜創学館では3年夏の県大会16強。甲子園出場はならなかったが、生まれ故郷に“Uターン”し、10球団から調査書が届くまでに成長した。「北海道は、本州と比べれば(野球をする)環境は良くはない。ただ、厳しい環境だからこそ、成長できたと思う」と福田。指名されれば、前身を含め星槎道都大出身者では5人目のプロ誕生となる。(清藤 駿太)

 ◆福田 俊(ふくだ・すぐる)1996年12月14日、札幌市生まれ。札幌手稲山口小1年で野球を始めた。小4の時に父の転勤で神奈川・小田原市に転居。横浜創学館高では3年春の県大会8強が最高。大学では1年春から中継ぎで登板し、リーグ通算13勝4敗。左投左打。170センチ、75キロ。趣味は海釣り。家族は両親と兄。

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