【侍ジャパン】劇的スクイズは菊池の提案 稲葉監督にベンチで「2球目、どうですか」 足と小技で大逆転

スポーツ報知
9回1死一、三塁、セフティスクイズを決める菊池(カメラ・池内 雅彦)

◆日米野球第4戦 侍ジャパン5―3MLBオールスター(13日・マツダスタジアム)

 侍ジャパンが日本らしい攻撃で鮮やかに逆転勝ちした。2点を追う9回、2盗塁に犠打、スクイズ、ゴロゴーなど、足と小技を駆使して一挙4得点。日米野球3勝1敗とし、勝ち越しに王手をかけた。

 まずは先頭の代打・田中和が四球を選び、二盗に成功。上林の適時打で1点差に迫ると、会沢が送りバントを決め、同点の走者を得点圏に進めた。ここで本拠地・マツダの声援を受けた田中広が中前へ同点適時打を放った。すかさず二盗と暴投で三塁まで進むと、秋山は敬遠され、1死一、三塁。菊池の一塁へ絶妙なセーフティースクイズで勝ち越し、さらに1死二、三塁から柳田の内野ゴロでこの回4点目を奪った。

 決勝点のセーフティースクイズは、菊池と稲葉監督が事前に話し合って決行された作戦だった。稲葉監督は「ベンチで菊池選手と“セーフティースクイズあるよ”という話をしたら、“2球目どうですか”と。1ボールになったのでサインを出して、本人も理解してくれて実行しました」と明かした。

 さらに、指揮官が高く評価したのが、柳田の内野ゴロ。ゴロと判断した瞬間に三塁走者がスタートを切る「ゴロゴー」のサインが出ていた。柳田はたたきつけるように遊ゴロを放ち、三塁走者の秋山がロケットスタートで生還。稲葉監督は「今日の試合展開であの1点は大きな意味を持つ。日本らしいスピードでとった1点。日本らしく、続けていかないといけない作戦」と手応えを隠さなかった。

 20年東京五輪を見据える稲葉監督は、連打が望みにくい国際試合で、点をとれる場面でいかに確実に得点するかをテーマに掲げている。9回の攻撃は、2安打ながら3四死球に2盗塁2犠打を絡めて4得点。2年後の金メダルに向けて、侍ジャパンの攻撃の形を示した1イニングだった。

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